Q71.消費税の軽減税率制度について教えてください(11)。(埼玉県鴻巣市在住T様他のご質問)
今回も、平成31年10月1日から実施が予定されている消費税の軽減税率について、国税庁が公表しているQ&Aをもとに、実務上問題となる点を見ていきます。なお、国税庁消費税軽減税率制度対応室が公表している「消費税の軽減税率制度に関するQ&A」は、平成30年11月に改訂となっています。そのため、今回から平成30年11月改訂Q&Aをもとに解説してまいります。
今回は、販売形態の異なるカラオケボックスと映画館での食事(飲食料品)の提供(販売)について見ていきます。
まず、カラオケボックスの客室で注文に応じて行われる飲食料品の提供は、軽減税率の適用対象とはなりません。国税庁のQ&Aでは、飲食設備がある場所において「食事の提供」が行われた場合には、軽減税率の適用対象とはならないからである旨が記載されています。
これに対して、映画館内の売店で行われる飲食料品の販売は、軽減税率の適用対象となります。この場合には、単に店頭で飲食料品を販売しているため、「飲食料品の譲渡(販売)」に該当するし、軽減税率の適用対象となるとされています。
しかしながら、この規定もたいへん紛らわしいものです。映画館に設置されたイスは、飲食設備とは言えなくもないかもしれません。そうすると、映画館の売店で行われる飲食料品の販売は、軽減税率の適用対象とはならなくなってしまいます。野球場の売り子さんによるジュースの販売はどうなるのでしょうか?歌舞伎の会場で提供されるお弁当はどうなるのでしょうか?その他にも、様々なケースがありそうです。いちいち個別に当てはめるのであれば、課税庁の担当者で見解が変わることもありえます。
また、別の問題もありそうです。ポップコーンを例に挙げると、ポップコーンの原料を仕入れるときには、「飲食料品の譲渡」になるため、軽減税率の適用対象となりそうです。しかし、ポップコーンの販売の段階では、同じポップコーンでも、カラオケボックスで売るか映画館で売るか野球場で売るかによって、軽減税率の適用対象となる場合とならない場合がでてくるのです。
このように、消費税の軽減税率が施行されると、様々なところで問題が生じる可能性があります。
今回の写真は、先週の土曜日に連れと群馬県沼田市のリンゴ狩りに行った時のものです。リンゴを自由に試食させてくれて、気に入ったリンゴを採ってきました。「あいかの香り」という品種がおいしかったです。リンゴ狩りのリンゴでは、軽減税率はどのような取り扱いになるか気になりました。帰りに群馬県川場村の田園プラザ川場に寄ってきました。人気のある道の駅トップ10にランキングされたらしく、大勢の人で賑わっていました。
(2018年11月20日)
(国税庁HP)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/qa/03-01.pdf


