個人事業者のときご自分で申告していた場合などで、白色申告の時などは特にこの区分が重要になります。個人事業者と法人の区分は会社の登記した日です。ただ、登記は土日はできませんし、会社を作るときにいつも1日に作るとは限りません。例えば、大安の日とか誕生日とかできるだけ早めにとか、社長の都合に合わせて会社成立日を決めていきます。
法人税では、会社成立の前概ね1か月以内なら会社の準備期間として認めるというような通達があります。しかし、これは会社員を想定しています。会社員なら会社を作る前から準備しなければならないし、取引先と交渉する中、売上が上がることもあるだろうという感じなのだと思います。そのとき個人事業者として売り上げを上げると1,2か月個人事業者で登記してから会社の売上となり実態とあわないので概ね1か月くらいは登記していなくても会社の収入と経費にあげてよいということだと思います。概ねということが気になりますが、この辺は説明できれば伸びると思います。
この規定は個人事業者には適用がありません。たぶんですが、消費税など損益を操作できるからだと思います。この規定を個人事業者に適用してしまうと個人事業者の売り上げを意図的に会社に入れてしまい、会社は免税期間なので消費税を免除出来たり、売上が会社に移るのでその年の個人事業者の利益が減りますから、所得税や住民税が減って意図的に納税額が減らせてしまいます。
こういった個人事業者の法人なりのとき、個人事業者の売上を会社に移すことをできないようにするため登記した日を境に会社と個人事業者を分けるということになります。
しかし、登記しても取引先の都合とかで会社がすぐ活動開始できない場合があります。それに登記が13日とかのとき売り上げの締日や取引先の都合などから13日を境にすることが難しい業種もあります。
そういった場合は、13日に登記しても月末までは会社は営業をしないで個人事業者だけで行っていたことにします。または都合に合わせ翌月末まででもよいと思います。月末まで会社が休業することは何も問題ありません。会社があっても個人事業者が並行してあることも問題ありません。
個人事業者をつづけるということは、損益の調整をその期間会社との間でしていないことになりますので、税務署側は特に指摘する事項がないことになります。問題があるのは個人事業者の売り上げを会社に入れてしまうことです。この例でいけば13日前にあった売上です。これは損益の調整になりますのでここだけ気をつければよいと思います。
さらに気をつけなければいけないのは、売掛金です。個人事業者であっても発生主義で確定申告することが原則です。よって、その月働いた分はお金が翌々月に入るとしてもその働いた月の収入に計上しなくてはならないです。
個人事業者の場合、発生主義をしていないことが多く見受けられます。そうすると個人事業者の確定申告は今まで通り奥様が作成するということで法人なりしてから会計事務所でするということもよくあります。この場合ですが、発生主義をしていない場合、例えば9月1日会社成立で8月31日までが個人事業者とします。
8月分の売り上げは10月に入るので奥様は個人事業者の売上に入れなかった場合、会社の売り上げは9月分からですので11月に入金になるものからになりますので、売上が会社にも個人にも入らなくなってしまうことがあります。
個人事業者から法人なりしたときこのどちらにも入らない部分がないようにする必要があります。どちらにも入ってないことは税務署が見ればすぐわかります。両方比べるからです。でも、個人事業者は今まで通り奥様で、会社は会計事務所ということになると別々の人が作っているので良く連絡を取り合わないともれてしまうことがあります。
この売り上げの漏れがないようにすることが大切です。そして、個人事業者の期間の売上を消費税が免税だからとかという理由で会社に入れてしまわないようにします。
よく質問があるのですが、例えば8月17日に登記して、分け合って個人事業者を9月末まで続けたい。その後10月1日から個人の事業を会社に移したいというのは、会社と個人が両方あるからダメなのですかというものです。
全く問題ありません。会社と個人が両方ある期間があってもおかしなことはありません。また個人事業者の一部は個人でないと受けられない仕事だったりすることもあると思います。そういった場合、個人事業者を継続しながら会社を運営することもできます。
役員の利益相反とかという問題があるのではということもありますが、理由があれば利益相反にならないですし、もともと役員と会社の資本金を持っている人が社長で同じことがほとんどなので、この問題が起こることはほとんど考えられません。
税務署が、個人事業者の部分が1千万円以下で消費税免税で会社が4千万円で簡易課税でとか損益調整をしているということで何か言ってくる可能性はありますが、きちんとした理由があれば損益調整をしているものではありませんので、その辺も理由が明確であれば大丈夫です。