消費税の納税免除期間
会社を新規で設立すると、資本金が1千万円未満のとき原則2年間消費税の納税が免除されます。たとえばサービス業で売り上げ年間2千万円なら約80万円程度の納税が免除されることになります。その80万円は利益になるので、法人税課税の対象になりますが、給与や経費で使えば課税されないことになります。
ここで資金繰りに目を向けると納税するはずの80万円が会社の通帳に残ることになります。そのお金は消費税分であっても、社長は通帳にあるお金に区別があるわけではないので分かりません。残高が増えているので使えると勘違いしてしまうと3年後の消費税納税のとき一気に資金繰りが厳しくなる可能性があります。
消費税を納付しなくてよい2年間であっても常に消費税納税金額を意識し、その分は別途納税用の通帳に積み立てることが大切です。税金を納めた残りが投資や役員報酬として使える金額になります。
資本金が1千万円以下でもイメージですが第1期の初めの6か月の売上高が1千万円を超えかつ役員報酬と給与が1千万円を超えているときは第2期目から消費税の課税事業者になります。2年間免税と考えていると翌年からの消費税の納税に資金計画が変わってきてしまうことがありますので注意してください。このときは設立時に弊社ではヒアリングをして最長の1年6か月の免除を受けるかどうか検討します。またこの場合2期目に入る前に簡易課税か本則課税のどちらにするかの検討もすることになります。
1年6か月の消費税の免除期間をとるときは決算期が最初と変更になるので決算期についても確認する必要が出てきます。また決算がすぐ来るので納税もすぐですから資金繰りとかにも影響することが考えられます。
消費税の免除では最初の6か月で給与と売上が1千万円を超えるかという判断だけではなく、関係している会社の売上高が5億円を超えている場合も面倒な規定があります。5億円を超えている会社を支配している人や会社が、過半数の出資をしているような会社を新規で設立しても消費税が免税にならないというものです。
内容が複雑でどこまで消費税が免除されなくなるのかが分かりずらい規定です。例えばお父さんが経営している会社が5億円を超えているとき、子供が会社を作り独立するとき消費税は免除されないのかということが考えられます。生計一とか同居とかいろいろなパターンで考え方は違ってきますので親族が5億円を超える会社を経営しているときは会社設立のとき注意が必要になります。