消費税10%

 消費税の税率が2019年10月1日から10%に上がる予定です。このとき、今までは一律だった税率が8%と10%の2つになる予定です。税率が2つになることで、今後、消費税は複雑化していくと思います。さらに、2023年10月1日からはインボイス制度が導入される予定です。

 消費税の計算をする場合の課税仕入れの要件が厳しくなるというものです。このインボイス制度導入で事業者の事務負担は増えるものと思います。インボイス制度そのものは2023年10月からですが、それまでの期間でも請求書が8%と10%に内訳を示さなければならないので、事業者側には8%の請求をしない方でも少し事務負担が増えると思います。

 以下、消費税の改正の内容を項目ごとに簡単に記載します。

平成31年税制改正 大綱閣議決定

 平成31年の税制改正項目が閣議決定されました。項目を見ると平成30年の変更のような直接影響するようなものは少ないようです。ほとんどの方には関係ないと思いますが、ビットコインの取り扱いがだんだんはっきりしてきたようです。

 ビットコインについては、事業所得以外は原則雑所得ということや取得価格のことなどは出ていたのですが、実際に集計するのがとても面倒でした。その辺を取り扱う会社側に、株式のように年間報告書を出すようにしたところが特徴です。

 それと、時価評価の取り扱いについてきちんと文書で出たようです。いままで、どう取り扱うのかビットコインが種類として何なのかわからなかったためいろいろ憶測がありましたが、時価評価をしてよいという方向のようです。

法人税 仮装通貨に関する整備

 取引の活発な市場がある仮装通貨は、短期売買商品と同様に期末時価評価(洗い替え処理)を行います。譲渡の日は約定日基準となります。

 今まで期末評価の規定がなく取り扱いが不明だったところを整備しました。

 この規定は2019年4月1日以後に終了する事業年度から適用します。

中小法人に対する軽減税率の延長

 中小法人等の年所得800万円以下の部分に適用される法人税の軽減税率15%が延長されました。延長は2年で2021年3月31日までに開始する事業年度について適用することとなりました。税率の本則は19%です。

研究開発税制の中小企業の範囲縮小

 研究開発税制の大規模法人の範囲に、次の法人が入ることになりました。中小企業の範囲から大規模法人の範囲になりますので、中小企業の範囲の縮小になります。

@資本金5億円以上である法人等との間に、当該大法人による完全支配法人による完全支配関係がある普通法人

A普通法人との間に完全支配関係があるすべての大法人が有する株式等の全部を、いずれかの1つの大法人が有するものとみなした場合に、当該いずれか1つの大法人と当該普通法人との間に、当該普通法人との間による完全支配関係があることとなるときの当該普通法人

 この規定は2019年4月1日以後に開始する事業年度について適用します。

研究開発税制の見直し

 研究開発税制の見直しがありました。総額型、中小企業の基盤強化などです。会社設立を行う社長に関係があるとすると、中小企業技術基盤強化税制になると思います。

 以下の研究開発税制の規定は2019年4月1日以後に開始する事業年度に適用されます。

(1)総額型の税額控除率

@増減試験研究費割合>8%の場合

9.9%+(増減試験研究費割合-8%)×0.3(14%を上限)

A増減試験研究費割合=<8%の場合

9.9%-(8%-増減試験研究費割合)×0.175(6%を下限)

B設立事業年度、試験研究費の額が0のとき

8.5%

控除額の上限  法人税額×25%

ベンチャー企業の場合の特例や一定の場合の上乗せ措置などがあります。

 

(2)中小企業技術基盤強化税制

@増減試験研究費割合>8%の場合

(イ)税額控除率

 12%+(増減試験研究費割合-8%)×0.3(17%上限)

(ロ)控除上限額

 法人税額×35%

A増減試験研究費割合<=8%の場合

(イ)税額控除率 

 12%

(ロ)控除上限額

 法人税額×25%

中小企業投資促進税制

 この制度は、機械装置等の対象設備を取得や製作等をした場合に、取得価額の30%の特別償却又は7%の税額控除(※税額控除は、個人事業主、資本金3,000万円以下法人が対象)が選択適用できるものです。

 適用期限が2021年3月31日まで延長されました。この期間に取得等した指定された事業で指定された設備を導入すると対象になります。

★中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却や税額控除を受けられる特例の対象となる機械装置等は下記の物になります。

 対象資産を購入しても、青色申告法人とか、中小企業とか、申告書への添付要件とか、事業共用の日とか、対象業種になっているかとかいろいろな要件がありますのでご注意ください。

 しかし、一番大切なのは対象になっている機械を購入しているかになると思います。そしてその機械が経営に役立つかどうかだと思います。

 対象となる資産(以下「特定機械装置等」といいます。)は、新品で次に掲げる資産で、指定期間内に取得し又は製作して指定事業の用に供したものです。

  1. 機械及び装置で1台又は1基の取得価額が160万円以上のもの
  2. 事務処理の能率化、製品の品質管理の向上等に資する測定工具及び検査工具(平成24年4月1日以後に取得等をしたものに限ります。)で、1台又は1基の取得価額が120万円以上のもの
  3. 上記2に準ずるものとして測定工具及び検査工具の取得価額の合計額が120万円以上であるもの(1台又は1基の取得価額が30万円未満であるものを除きます。)
  4. ソフトウェア(複写して販売するための原本、開発研究用のもの又はサーバー用のオペレーティングシステムのうち一定のものなどは除きます。以下同じ。)で次に掲げるいずれかのものイ 一のソフトウェアの取得価額が70万円以上のもの ロ その事業年度において事業の用に供したソフトウェアの取得価額の合計額が70万円以上のもの
  5. 車両及び運搬具のうち一定の普通自動車で、貨物の運送の用に供されるもののうち車両総重量が3.5トン以上のもの

中小企業経営力強化税制 延長

 中小企業経営強化税制(即時償却又は10%(7%)の税額控除)の、2019(平成31)年3月31日までの適用期限が2年延長し、2021年3月31日までとなりました。

 この制度の対象設備を明確化しました。機械装置の範囲から以下のものが除外されました。

作成中

平成30年税制改正

 平成30年の税制改正です。相続税の改正がたくさんありました。会社関係ではあまりないのですが、相続税の関係で事業承継税制が使いやすくなりました。

所得拡大税制

従業員の給与を上げると法人税額が下がる制度があります。(ただし、役員や役員の親族等の給与を上げても法人税額は下がりません。)この制度はH29.4.1開始事業年度から、(1)の適用要件を全て満たしたときに(2)の法人税が減らせる様になっています。

 

 (1)適用要件

    @給与等支給総額:平成24年度から一定割合以上増加

     ※平成24年度が無い時は、基準の給与を1円とする

 

   A給与等支給総額:前事業年度を上回る

 

   B1人当たりの平均給与等支給額:前事業年度を上回る

 

 (2)税額控除額

   @通常

    給与等支給総額の平成24年度からの増加額×10%

 

   A1人当たりの平均給与等支給額が前年度比2%以上増の場合

 

    @+給与等支給総額の前年度からの増加額×12%

 

 しかし、H30.4.1開始事業年度から、(3)の適用要件を全て満たしたときに(4)の法人税が減らせる様に変わります。

 

 (3)適用要件

   @給与等支給総額:前事業年度を上回る

 

   A1人当たりの平均給与等支給額:前年度比1.5%増

 

 (4)税額控除額

   @通常

    給与等支給総額の前年度からの増加額×15%

 

   A1人当たりの平均給与等支給額が前年度比2.5%以上増、かつ

    次のいずれかの要件を満たす場合

 

    教育訓練費が前年度比10%増

    中小企業等経営強化法の認定に係る計画における経営力向上の証明

 

    給与等支給総額の前年度からの増加額×25%

 なお、控除額は改正前後にかかわらず、法人税額×20%が上限となっています。

 適用要件が1つ減ったのですが、依然として分かりにくい内容と考えます。また、改正前は平成24年度からの増加額を基に法人税が減ったのですが、改正後は前年度からの増加額を基に法人税が減るので、法人税が減りにくくなると考えられます。

 

 それでも、給与を前年度から上げたら適用の可能性が高いと考えられますので、積極的に適用したいものです。

 今回の改正で全事業年度のない新設法人第1期の適用がなくなりました。新設法人代1期については残念な改正になります。

 

欠損金の繰越控除10年へ

 平成30年の税制改正ではないのですが、青色欠損金の繰越控除が9年から10年に延長されました。適用開始はH30.4.1以後開始事業年度なので、1年決算法人ならH31.3月決算からです。                また、この改正により、帳簿書類の保存期間が9年から10年に延長されました。

中小企業者の少額減価償却資産の特例の延長

 青色申告法人で中小企業者は取得価格が30万円未満の資産を購入した場合即時償却できる特例がありますが、その特例が延長されました。内容に変更なく2年間の延長になります。平成32年3月31日までに取得等してその法人の事業のように供した少額減価償却資産について適用になります。

 適用に当たっては、法人の申告書の別表に記載すること、個人事業者の場合は申告書の減価償却資産の一覧表の記載する場所に措置法の番号を記載します。消耗品として10万円未満は全額経費になりますが、この特例を使うと合計額300万円を限度として全額を経費にすることができます。

中小企業の交際費課税の特例の延長

 中小企業(資本金1億円以下の法人)の交際費の特例が2年間延長になりました。平成32年3月31日までの間に開始する事業年度において支出する交際費等について適用になります。

 交際費とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その時先や仕入れ先その他事業に関係のある者等にたいする接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出する費用を言います。交際費の特例は、交際費のうち大企業も接待交際費の50%までを損金に算入することが可能で、中小法人は800万円の定額限度額までの損金算入との選択適用ができます。

中小企業の設備投資に係る固定資産税特例措置

生産性向上特別措置法で市町村の認定を受けた中小企業の設備投資について、固定資産税の課税標準を3年間0〜1/2に市町村の定める条例で軽減する特例措置が新しく作られました。

 この中小企業の固定資産税の軽減の特例がうけられる要件は 

 @中小企業が商工会や経営革新支援機関などと連携し申請した新規設備投資計画に係る計画を市町村が認定すること。 

 A労働生産性が年平均3%以上向上する設備投資 

 B清算販売活動などのように供される、企業の収益向上に直接つながる新たな設備への投資です。

 

適用は生産性向上特別措置法の施行日から平成33年3月31日までの間に生産性向上特別措置法の導入計画に従って取得した先端設備等に該当する一定の機械装置等です。

 

 市町村の認定が必要になりますので、設備について市町村の認定になるか導入予定の市町村に確認してからの方が良いと思います。

法人税等の申告書への自署・押印が廃止になります

 平成30年4月1日以後修了する事業年の申告書の提出から、申告書への代表者や経理責任者の自署押印が必要なくなりました。 

 この改正により、国税だけでなく法人の地方税の申告書への自署押印制度も廃止されました。電子申請が通常の申請になってきていますので、自署押印では実情が合わなくなってきたためと思います。

青色申告特別控除

取引を正規の簿記で記録している場合の事業所得や不動産所得の事業的規模などの場合、青色申告特別控除65万円を使用することができました。この65万円控除の適用要件が厳しきなりました。平成32年分以後の所得税について適用になります。

 所得税関係の変更点になります。事業所得や不動産所得の事業的規模などの青色申告特別控除の変更です。会社設立のとき法人なりの方もいらっしゃると思いますので、事業所得との比較ですこし関係するかもしれません。

 青色申告特別控除は55万円となります。しかし会計帳簿を会計ソフトなど利用して保存す場合か確定申告をeTAXなどを使用して電子申告する場合は従来通り65万円控除となります。会計ソフトを使用するか電子申告するかということが必要になります。 

 現在でも65万円控除をつかっているほとんどの方は会計ソフトか電子申請していると思いますので影響は大きくないと思いますが個人所得税の増税になる傾向と思います。 

 今回の改正では10万円控除の適用要件に変更はありませんでした。しかし今後適用要件が厳しくなる可能性があります。

 こういった要件が厳しくなる傾向は続くものと思います。実質増税であり、税制をさらに厳しくしていく傾向です。要件が厳しくなればあいまいなことがだんだんできなくなり税務調査などの国家権力が強くなる気がします。

事業承継税制の改正

非上場株式等についての贈与税・相続税の納税猶予の特例

  会社経営を後継者に継がせる際、株を後継者に渡すことが多いと考えられます。

  しかし、下記の様に税金が発生します。

  @ A→Bに株を売却・・・Aに所得税がかかります。

               また、BはAに購入代金を支払わないといけません。

  A A→Bに株を無償で渡す・・・Bに贈与税がかかります。

  B Aが死亡したとき、A→Bに株が渡る・・・Bに相続税がかかります。

 

  このAの贈与税及びBの相続税の納税を猶予したりする制度があります。

  この納税猶予の制度に特例が加わりました。

  (適用期間:H30.1.1〜H39.12.31の贈与・相続等)

 

  この特例を適用すると、今までの制度と比べて、例えば下記の様なメリットがあります。

  今迄 特例
対象株数 総株式数の最大2/3まで 全株式
 納税猶予割合  贈与100%、相続80% 相続・贈与共に100%
適用者 後継者1人まで 後継者3人まで
雇用確保要件 承継後5年間平均8割の雇用維持 弾力化
相続時精算課税 60歳以上の者から
20歳以上の推定相続人・孫
への贈与
60歳以上の者から
20歳以上の者への贈与
(推定相続人・孫といった
制約なし)

 

ただし、特例を適用するためには、申告期限内に一定の書類を作成したり、

担保を提供したりする等の必要が出ます。

(弊社でその書類作成の助言等を行うことは可能です。)

また、適用後も、継続届出書を提出し続けたり、

株を取得した人が経営を続けたりしないといけない等の要件があります。

更に、あくまでも納税猶予の制度なので、納税猶予が切れると、

本来納めるべき税金に加えて利子税まで納税しなければいけなくなります。

本規定の適用を受ける際は、常に適用を受け続けられるようにしましょう。

配偶者控除の改正

 平成30年の改正ではありませんが、平成30年から適用になります。

T  適用時期は平成30年以後の所得税・平成31年以後の住民税です。平成30年の年末調整・確定

   申告(平成31年3月の所得税申告)では注意になります。

U  概要

   控除を受ける人=配偶者(婚姻関係)

   配偶者が稼いだ額によって、控除を受ける人の控除額が変わります。この稼いだ額と控除額の

   関係が改正されました。      

   

配偶者の合計所得金額 38 85 90 95 100 105 110 115 120
以下 85 90 95 100 105 110 115 120 123
配偶者の給与収入のみ 103 150 155 160 167 175 183 190 197
以下 150 155 160 167 175 183 190 197 201
控除額 38 36 31 26 21 16 11 6 3
控除額 26 24 21 18 14 11 8 4 2
控除額 13 12 11 9 7 6 4 2 1

  控除を受ける人の合計所得金額が900万円(給与だけで1,120万円)以下のとき

  控除を受ける人の合計所得金額が900万円(給与だけで1,120万円)超 950万円(給与だけ

  で1,170万円)以下のとき

  控除を受ける人の合計所得金額が950万円(給与だけで1,170万円)超 1,000万円(給与だ

   けで1,220万円)以下のとき        

課税所得年800万円超の税率変更

 中小法人の法人税率で年800万円超の部分に係る税率が23.4%→23.2%に変更されました。 適用開始はH30.4.1以後開始事業年度なので、1年決算法人ならH31.3月決算からになります。所得の多い企業は少しだけ減税になるようです。 

居住用財産の買い換えの特例など延長

 マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰り越し控除の特例、特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰り越し控除の特例が期限延長されました。適用は平成31年12月31日までの2年間の延長です。

(1)居住用財産の買い換えの場合の損益通算、繰り越し控除の適用要件は

国内にある居住用の所有財産を売却して買い換えた場合に10年以上の住宅借入金をするときなどに適用されるものです。要件はたくさんありますがチェックしリストが出ていますので1つづつチェックしリストに従って進んでいくと適用があるかどうかわかります。

(2)特定居住用財産の譲渡損失の損益通算、繰り越し控除

 @譲渡契約日の前日において、譲渡資産である住宅を取得した際の住宅借入金等からの借入金で、契約において償還期間が10年以上の住宅借入金があること、住宅借入金残高が譲渡価額を超えていること

 A所有期間5年以上で、国内にあるもの

 B居住しているもので、所有しているもの

 C売却が家族などでないこと などです。

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