会社員であれば、会社に行けば机がありパソコンがあり営業車があります。出張も会社が出します。ある会社員の年収が600万円とすれば、その会社員の方は600万円を使って生活できます。
しかし社長は違います。年収600万円の会社員には、給与以外に退職金、年休、社会保険などが用意させています。例えば年収600万円の社長様に見合う退職金があるでしょうか、あるのですが自分で積み立てるのです。年休はあるでしょうか、休んでも自由かもしれませんが誰も社長業をしてくれません。社会保険はきちんと加入しているでしょうか、社会保険料は半額負担ではありません。会社のお金と社長様のお金は法律上違っても実際はおなじです。社会保険は自分で全額負担です。
事務所を移転しなければなくなったとき、営業車が必要になったとき、お金を借りるのがいやでしたら、社長様が自分の貯金から出すしかないのです。その貯金は所得税、住民税、社会保険をはらった残りからです。そしてさらにその貯金から事業資金をだしても100%回収できるでしょうか(当然回収するのですがリスクが常にあります)。社長様の給与は高くないとあわないのです。これから開業する会社の社長様は生活できればよいという最低限のことでなく、このようなリスクをすべてクリアしてそれでも儲かる会社にすると考えないと会社員のほうがよかったということになる可能性があります。