Q80.節税について教えてください(3)。(埼玉県熊谷市在住K様他多数のご質問)
今回も、お金を手許に残しながら節税する方法についてご説明いたします。前回は、役員報酬を調整することによって、節税になることをご説明しました。しかしながら、役員報酬を増額すると、社長個人の社会保険料・源泉所得税・個人住民税も上がってしまうという欠点もあります。今回ご紹介するのは、役員報酬を増額しないで、なおかつお金を手許に残しながら節税する方法です。
中小企業倒産防止共済(経営セーフティー共済)が代表的な節税手段となります。これは、掛金が全額経費になり、40ヶ月以上支払った場合に全額が利息付きで返金されるというものです。1年間に最大240万円まで前納することができます。ただし、毎年の掛金の総額が800万円を上限としています。
倒産防止共済の本来の趣旨は、取引先が倒産した場合に連鎖倒産を防ぐことが目的です。しかしながら、倒産防止共済は節税の手段としても有効に用いられています。この倒産防止共済を効果的に活用することによって、役員報酬を増額しないで節税することが可能になります。倒産防止共済は中小法人だけでなく、個人の中小企業者も原則加入が可能です。
将来本当に返金されるか不安に思う方もいらっしゃると思いますが、中小企業倒産防止共済の母体が独立行政法人中小企業基盤整備機構になっています。つまり、国の機能を独立して設立された機関を母体としていますので、よほどのことがない限り払い戻しを心配される必要はないと思われます。
ただし1点問題があり、将来払い戻しをされた時に会社の収益になってしまいます。仮に満額の800万円掛けられて将来払い戻しをされた場合に、800万円の収益になるため、なんらかの対策が必要となってきます。
次回は、この払い戻し時の出口対策についてご説明いたします。
今回の写真は、群馬県藤岡市のお寺に咲いていた桜(ソメイヨシノ)です。まだ埼玉県久喜市近辺では桜はきれいに咲いていますが、今日の雨でだいぶ散ってしまうのではないでしょうか。今日は春だというのにとても寒い日です。地元の埼玉県羽生市近辺でも雪が降ったらしいです。暖かい日が続いてほしいです。
(2019年4月10日)
(独立行政法人中小企業基盤整備機構HP)
