修士論文の紹介:「不法行為と損害賠償を巡る課税上の諸問題」(6)
今回は、修士論文の参考文献を紹介する最終回になります。
税法の論文を書く上で、判例や裁決も大切になってきます。
税法の場合で判例とは、地方裁判所、高等裁判所、最高裁判所で下された判決で先例として確立しているものを指すことが多いです。最高裁判所の判決は一番大きな影響力を持ちますが、最高裁に限らず地裁や高裁でも影響力のある判例はあります。
国税の場合には、裁判に持ち込む前に国税不服審判所で審議されることになります。そこで下された判断を裁決といいます。裁決も先例として影響力をもつものもあります。
判例・裁決に関しては、大学院でTKC法律情報データベースにアクセスできたので、ここからそろえました。税務・会計に携わっている方は、TKCという言葉をよく目にすると思いますが、「栃木県計算センター」の略称であることは意外と知られていない方もいるかと思います。
【参考文献一覧⑤】
・ 後藤昇ほか編著・『所得税基本通達逐条解説』(大蔵財務協会)
・ 蔵重有紀「判批」(税理45巻1号)
・ 酒井克彦・税務弘報53巻8号
・ 苫米地邦男・『回答事例による所得税質疑応答集』(大蔵財務協会)
・ 酒井克彦『所得税法の論点研究−裁判例・学説・実務の総合的検討−』(財経詳報社)
・ 岡村忠生『所得税法講義』(成文堂)
・ 平田敬一郎『新税法』(時事通信社)
・ 水野忠恒『租税法』(有斐閣)
・ 杉村章三郎、村山達雄、野村次男『所得税法[税法学大系Ⅰ]』(大蔵出版)
・ 岡正晶「非課税所得となる損害賠償金の範囲」(税務事例研究5号)34頁
・ 田口卯一『最新所得税法詳解』(双珠社)
・ 高橋眞「金融商品販売法4条」潮見佳男編『消費者契約法・金融商品販売法と金融取引』(経済法令研究会、平成13年)
・ 秋山友宏・税務事例43巻6号
・ TKC法律情報データベース
今回で参考文献の紹介は最後になります。次回から、論文の内容を紹介してまいります。
(2019年11月6日)