個人所有の車を同族会社が買い取る際の注意点
会社設立のとき節税として個人のものを会社が買い取るということをよくします。個人使用の車を会社が買い取ると節税になるということですがどういったことでしょうかという質問を受けたときの会話です。
<お客様>
個人で使っている車があります。この車を会社に売却して会社使用にすると減価償却を計上できるので経費が増えると思います。経費増やすにはできるだけ高く会社に買わせるとよいと思いますが自由に価格設定はできるのでしょうか。
<会計事務所>
価格設定は自由にできないです。時価が基準になります。
<お客様>
時価といっても中古屋さんに持っていくくらいしかないと思いますが、面倒ですし、思ったより安かったら経費にならないからやっても無駄になってしまします。中古車販売店での査定が50万円になるのでしたら、自分の会社だったら200万円くらいで買い取らせることができますがだめですか。
<会計事務所>
それは時価ではないです。税務上時価が基準になるので仮に社長の会社が50万円のものを200万円でかいとった場合その差額の150万円は支払いを受けた人によって従業員給与とか役員賞与とか、法人なら寄付金とか、他人なら会社からの贈与とかでことなってきます。
よい方法ではないので時価で処理することをお勧めします。時価はよくわからないので、個人使用でしたら、減価償却を1.5倍して経過年数分を購入価格から差し引けばよいです。この場合は定額法です。
税金の計算方法が時価を表すわけではないのですが、税務に従って時価を考えれば面倒な税金が後からかかることはないから、本来の売買時価ではなく税務の計算による方法をとるのが一般的です。
<お客様>
取引は自由なのだから車の売買くらい自由にできると思ったのですが、世の中は税務の取引で規制されているのですね。
<会計事務所>
取引は自由なので自由にやってもらっていいのですが、その自由な取引で税金が下がると不公平なので特に同族関係での取引にはうるさいです。同族会社の株式とか土地建物を売ったりするときでも家族同士で低い金額で決めて移転するとかということも規制しています。
<お客様>
占いでリースるという方法の方が良いですか。
<会計事務所>
売買すると名義変更が必要になります。それが面倒な時はリースでもよいと思いますが、個人の所得が出るのでしたら確定申告の必要があります。確定申告を会計事務所に頼むと手数料がとられるので、リースの方が社会保険料がかからないから少し有利くらいですと違いはないです。
それと実際に車を会社で使っていないと税務調査のとき何か言われます。