以下、A調査官(税務署)、B税理士、C社長(建設業)との税務調査でのやり取り。
・・・前回の続き・・・
C社長:こちらがスケジュール帳になります。
A調査官:ありがとうございます。それと、決算月の前後の売上と外注の請求書も確認させてください。
B税理士:分かりました。売上と外注の請求書は、こちらにあります。
A調査官:これですね。まず、スケジュール帳を確認させてください。
B税理士:スケジュール帳は、どの部分を確認しますか。
A調査官:直近の決算月の部分を確認させてください。
B税理士:分かりました。では、直近の決算月の部分のみ確認してください。
・・・A調査官がスケジュール帳と売上・外注の請求書を20分くらい確認する・・・
A調査官:スケジュール帳には、日付と現場名と人工の名前が記載されていますが、丸がついているのはどのような意味ですか。
C社長:スケジュール帳に丸がついているのは、完成引渡をした工事現場になります。
A調査官:〇月〇日の工事現場には、丸がついていませんが、完成引渡しをしていないということでよろしいでしょうか。
C社長:そうだと思います。それは1日だけ先行工事として行ったものだと思います。
A調査官:なるほど・・・。決算月の売上の請求書には〇月〇日の工事現場の請求は上がっていませんね。
C社長:1日だけの先行工事だったので、まだ売上の請求は行っていません。
A調査官:そうすると、〇月〇日の工事は未成工事(仕掛)ということになりませんかね。
B税理士:(スケジュール帳の確認をして)C社長、〇月〇日の工事の売上請求を他の請求と一緒に行ったということはありませんか。
C社長:それが、たった1日だけの工事だったので、売上の請求も後回しになってしまったんだよ。
B税理士:それでは〇月〇日の工事は、未成工事(仕掛)の可能性もあると思います。
(心の中で)C社長には決算の際に未成工事の確認をしており、大きな工事の未成工事は確認していたが、1日だけの先行工事は未成工事という認識はなかったのだろう・・・。
次回へ続く。
(2024年12月2日)