「ある会計事務所の税務調査事件簿(13)」
※この物語は実話を基にしたフィクションです。
社長からの聞き取りが終わると、Z調査官は帳簿書類のチェックを開始した。
「どうやら、売上と仕入と期ズレの確認をしているらしい。税務調査の初日はだいたいそんなものだ・・・。」と、B社長が退席したので、T税理士は気持ちにゆとりができてきた。
昼食休憩をはさんで、午後の調査が始まった。
「これから4時まで、何も見つからなければよいが・・・」とT税理士が思っていると、Z調査官が突然電卓をたたき始めた。すごい勢いだ。目つきも鋭い。
電卓をたたき終えると、Z調査官が話し始めた。
「仕入伝票のR商品について確認しましたが、売上伝票にはR商品の記載が見当たりません10。どういうことでしょうか。」
10 税務調査では、「売上に関する書類」と「仕入・外注に関する書類」を照合して、「期ズレ」などをチェックすることは常套手段として行われます。
(2026年1月26日)