「ある会計事務所の税務調査事件簿(15)」
※この物語は実話を基にしたフィクションです。
税務調査も2日目に入った。
午前中は、やはり売上と仕入を中心にZ調査官は調べているようだ。
Z調査官は、なにやらメモも取り始めた。
何点かZ調査官から質問を受けたが、問題になるようなことはなかった。
在庫の計上で30万円ほどの期ズレを指摘されたが、繰越欠損金11もあるので、たいした問題ではない。
午後は、交際費や消耗品など細かな経費を調べられた。
A株式会社は、経理状況はきちんとしているので、個人的な経費12などはほとんど計上されていない。
11 「繰越欠損金」とは、税務上の赤字を翌期以降の黒字と相殺できる制度をいいます。一定の青色申告を行う会社で認められ、赤字を10年間繰越すことができます。税務申告上、納税者に有利な制度です。
12 「個人的な経費」とは、「家事費」ともいわれ、事業には関係のない日常生活で発生する費用のことをいいます。もちろん「個人的な経費」は、会社の「事業の経費」ではないため、税務調査でのチェック対象となります。
ただし、「個人的な経費」と「事業の経費」の区別には、グレーな部分もあるため判断が難しいケースも多いです。
(2026年2月10日)