「ある会計事務所の税務調査事件簿(19)」
※この物語は実話を基にしたフィクションです。
○○月×日に、X税務署の近くのカフェで、T税理士とB社長は待ち合わせをした。B社長の顔色がよくない。どことなく、おどおどした様子だ。
B社長の方から話し出した。
「T税理士、今まで黙っていたことがあります。実は、売上の伝票の一部を廃棄していたのです。」
T税理士は、心の中で怒った。
「それは売上除外で立派な脱税13ではないか。何で今まで黙っていたんだ・・・。今日、X税務署に呼びだされたのはそれが原因か。果たして、総額はいくらになるのだろうか。」
T税理士は、B社長に声をかけた。
「売上の伝票を破棄していたのは、毎年いくらくらいになりますか。」
B社長は、
「いくらかは分かりません。何年も前からになります。」
T税理士は、怒りを抑えながら話した。
「やってしまったことは仕方ありません。X税務署の出方をみて対処しましょう。」
T税理士とB社長は、カフェを出てX税務署に向かった。
13 「脱税」とは、不正な手段によって課税を免れることをいいます。意図的に売上を隠ぺいする「売上除外」も「脱税」の1種です。悪質な場合には、刑事罰の対象となるケースもあります。
(2026年3月9日)