「ある会計事務所の税務調査事件簿(20)」
※この物語は実話を基にしたフィクションです。
X税務署では、Z調査官が出迎えてくれた。もう一人、優しそうな初老の男性も一緒だ。初老の男性と名刺の交換をすると、「X税務署法人課税3部門V統括官」と記されている。
T税理士は、
「統括官14が出てくるとは、やはりまずいことを言われそうだ・・・」
と内心穏やかではなくなった。
T税理士とB社長は、X税務署の一室に通される。V統括官とZ調査官も一緒だ。
V統括官とZ調査官は、お茶をふるまってくれて、笑顔で応対している。
世間話をして打ち解けたような雰囲気になった。
T税理士は、もどかしくなり、口火をきった。
「税務調査の対象期間は伸びるのでしょうか。」
調査期間が5年に伸ばされるのは覚悟のうえだった。
すると、Z統括官は真顔になり、1枚の書類を見せながら話した。
14 「統括官」とは、税務調査を担当する部門のトップの称号をいいます。「統括官」は、通常の税務調査では表に出てこないことが多いです。
(2026年3月16日)