「ある会計事務所の税務調査事件簿(21)」
※この物語は実話を基にしたフィクションです。
「ここで宣言させてください。調査期間は7年間15に延長させてください。反面調査16を行った結果、この資料の通り8000万円の売上を除外している可能性があることが判明しました。」
「7年間、売上除外8000万円?!」
まさに青天の霹靂だった。売上除外とは言っても、多くても数十万円と予測していたが、はるかに上だった。
Z調査官は、続けてこう話した。
「仕入の伝票に記載されていましたR商品について、売上の伝票に記載がなかったことを不審に思い、得意先に反面調査を行いました。その結果、得意先の仕入伝票にはA株式会社に対するR商品のものが多数発見されました。」
「やはり、Z調査官は切れ者だったのだ。いや、もしかしたら税務調査に入る前からこの事実には気が付いていたかも・・・」とT税理士は詮索する。
15 意図的で悪質な脱税がある場合には、税務調査の調査対象が最長で7年間遡られます。
16 「反面調査」とは、税務調査で疑いをかけられた場合に、得意先や仕入れ先などの関係者に税務署の権限で税務調査に入ることをいいます。例えば、得意先に税務調査が入って仕入れの資料が確認できた場合には、当該会社ではそれに対応する売上が計上されていないとおかしいということになります。
(2026年3月23日)