「ある会計事務所の税務調査事件簿(22)」
※この物語は実話を基にしたフィクションです。
Z調査官は、1枚の書類を指さしながら、
「現在のところ、売上除外と見られる金額が8000万円あります。追徴税額は重加算税17を含めて3500万円になります。B社長、売上を隠していたことは身に覚えがありますか。」
B社長は震えている。
「すみません。業務が忙しかったもので、整理しきれなかった伝票や捨ててしまった伝票もあるかもしれません・・・。」
T税理士は、B社長に尋ねた。
「B社長、今のところ国税だけでも3500万円の追徴課税になっています。これに、役員賞与18と認められた場合には、地方税も含めて7000万円くらいの追徴税額になる可能性があります。いくらくらいまででしたら、追徴税額を支払えますか。」
B社長は、うろたえながら答えた。
「2000万円くらいまででしたら、追徴税額を支払えると思います。」
T税理士は、V統括官に訴えた。
「B社長は2000万円までなら追徴税額を支払えると話しています。なんとか2000万円までに収まる形にはできないでしょうか。」
17 「追徴税額」とは、税務調査等で発覚した本来の税金との差額分で支払う税金のことをいいます。「重加算税」は、「追徴税額」の一つで、仮装・隠ぺいなど悪質な不正行為があった場合に課せられる最も重いペナルティーです。
18 「役員賞与」とは、税務調査で使われる場合には、源泉所得税が追徴税額として追加されることを意味します。税務調査で「売上除外」などが発覚すると、個人に流れたお金が役員賞与として認定されることあります。
(2026年3月30日)