始めた会社を辞めるときはどうなるでしょう。会社設立をするとき最初に心配されることだと思います。会社の存続期間は20年後には10%といわれているようです。でも、私のお客さんを見ていると、そんな割合で会社が廃止されているようには思えませんので、存続期間にはオーナーが変更になったり、合併だったりとかで存続しているけどそういったものを除いているのかもしれません。
会社を廃止する場合ですが、清算して登記を抹消するという必要があります。でも、この清算をする場合借入金などがあると簡単に清算といかなくなります。負債がなければ大事にはならないです。極端な話、会社辞めますだけでいいと思います。従業員もいませんし、取引先には別のところにいってもらえばよいだけです。
従業員がいて給与を支払っていて、銀行からの借入金があり、売掛金と買掛金があるとなると、会社の清算は困難になります。最初に考えることは立て直す、次に売却できるか検討するという感じかと思います。それもできないとき、続けていると負債が増えてしまうという場合には、法的な手続きを取ることになります。
会社を清算するとき、代表者が別の会社の代表をしていたらどうなるかという問題があります。なぜかというと、会社を清算する場合、銀行からの借入金などがあると、個人保証をしている場合がほとんどのはずですので、会社と一緒に代表者個人も自己破産する必要が出てくるからです。
会社と同時に個人が自己破産の手続きを開始すると、以前の法律では役員の欠格事項になっていたようです。現在は、株式会社と合同会社で取り扱いが異なり、株式会社ですと欠格事項ではないので、いったん退任してすぐ就任するという形式的な手続きで、引き続き株式会社の代表者を継続できます。民法の委任契約がいったん終了するということのようです。この場合は、司法書士の手数料と代表者役員の変更の登録免許税がかかります。それだけで大丈夫です。
合同会社の業務執行役員で1人だけしかいないときは少し面倒になります。なぜかというと、会社法で法定の退社事由を定めているからです。
任意的に退社をする他に、合同会社の社員は、次の事由で退社することになります。(会社法第607条1項)。
定款で定めた事由の発生総社員の同意死亡当該合同会社が消滅会社となる合併破産手続開始の決定解散後見開始の審判を受けたこと除名
この中の5の破産手続き開始の決定に該当してしまうからです。そうすると、1人しかいない社員が退社するのですから会社は清算しなければならなくなります。
でも、定款に5(6,7も)の理由で退社しない旨の定めが可能ですので、その旨が記載されていれば、退社せずにそのまま会社を継続することができます。しかし、初めからそんなことを想定して定款を作ることはありません。そうすると、破産手続きを開始するかもしれないという前に同意書・決定書で議事録を残し、5の理由で退社しない旨を追加することになります。
この辺は、通常、弁護士や司法書士の意見を聞きながら行うところと思います。議事録を作成しておくだけで会社の存続が継続できるのですから、知っているのと知らないのでは大きな差になります。