Q100.節税について教えてください(23)。(埼玉県さいたま市見沼区在住H様他多数のご質問)
今回は前回に引き続き、マイホームを売却した場合における節税についてご説明いたします。
前回はマイホームを売却して利益が出た場合についてご説明しましたが、今回は損失が出た場合についてご説明いたします。
通常は、個人が土地・建物を売却した場合には、所得税における譲渡所得という取り扱いになり、他の所得とは分離して課税されます。そのため、土地・建物の売却によって損失が発生しても、給与所得や事業所得など他の所得と損益通算をすることはできません。
しかしながら、居住用の土地・建物(マイホーム)を売却したときには、一定の要件を満たす場合に限って、損失を給与所得や事業所得など他の所得と損益通算することができる特例があります。さらに、損益通算しても控除しきれない損失については、3年間繰り越して控除することができます。
この特例を適用する場合には、2つのパターンがあります。一つはマイホームを買い換えた場合、もう一つは売却したマイホームの住宅ローンが残っている場合です。いずれにおきましても、売却した年の1月1日において所有期間が5年を超えていることが必要です(長期譲渡所得)。それぞれの特例おいて適用する様々な要件が定められていますので、これらの特例を適用するためには要件を十分に吟味する必要があります。要件の詳細につきましては、下記の国税庁HPをご参考ください。
また、前回も同様ですが、マイホームを売却する場合などに備えて、契約書は必ず保存しておく必要があります。特に売却される不動産の契約書がないと、譲渡所得を計算する際に控除される取得費が分からないことがあるため、損をしてしまう可能性があります。取得費が分からないと、原則として、売却した価額の5%しか取得費として控除できなくなってしまうのです。
一般的には、マイホームを売却したり買い換えたりすることは、一生で何度もないことと思います。しかし、前回や今回のブログのように、マイホームの売却では利益が出ても損失が出ても、特例を適用することにより節税することができる可能性があります。また、特例を適用するためには要件を確認することや様々な添付書類も必要とするため、マイホームを売却される際には、税理士にご相談されるとよろしいかと思います。
今回の写真は、埼玉県ときがわ町にある「とうふ工房わたなべ」のものです。一昨日の祝日を利用して家族3人で訪れました。多くの人でにぎわっていました。豆乳クリームとおからドーナツがとても美味しかったです。ときがわ町まで車を利用して自宅から1時間30分くらいで行けるので、また時間があったら行ってみたいです。
(2019年9月18日)
(国税庁HP)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3390.htm
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3370.htm
