Q50.労働生産性とは何ですか?(埼玉県羽生市在住Y様のご質問)
労働生産性は、近年税務関係で注目されている指標です。労働生産性には、狭義で使われる場合とマクロ的な視点で見た広義で使われる場合とがありますが、ここでは税務上使われている狭義の定義でみていきます。
労働生産性(狭義)は、次のように定義されます。(中小企業庁HP「−中小企業等経営強化法−経営力向上計画策定の手引き」より)
労働生産性=(営業利益+人件費+減価償却費)÷労働投入量(労働者数又は労働者数×1人当たり年間就業時間)
ここで、(営業利益+人件費+減価償却費)とは、付加価値額を表しています。付加価値額とは、企業が生み出した価値のことで、様々な定義があります。例えば、事業税の外形標準課税の一つである付加価値割の計算では、「付加価値額=単年度損益+報酬給与額+純支払利子+純支払賃借料」として定義されています。
つまり、労働生産性とは、付加価値額を労働投入量で割っているため、労働者1人が生み出した企業の価値を表す指標なのです。この労働生産性は、税務上重要な指標になっています。
例えば、中小企業経営強化税制では、中小企業庁の経営強化法の認定を受けることにより、一定の固定資産の即時償却や税額控除などが受けられます。その際に、中小企業庁に提出する申請書では、労働生産性が向上することを記載するケースがあります。また、中小企業の償却資産税の特例を使う場合においても、その要件の一つとして労働生産性が年平均3%以上向上する設備投資であることがうたわれています。
このように、新たな設備投資を行うことなどにより労働生産性を上げることは、税務上も恩恵を受けられることにつながる場合があるのです。
今回の写真は、3週間くらい前に連れと埼玉県長瀞町に行ってきたときのものです。長瀞は埼玉県でも数少ない観光スポットの一つです。名物の天然かき氷のお店に入ろうと思ったのですが、行列ができていて諦めました。行列には10分くらい並んだのですが、意外とかき氷は回転率が良くないことが分かりました。代わりにジェラートを食べてきましたが、こちらもおいしかったです。
(2018年6月19日)
(中小企業庁HP)
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/2018/180601tebiki.pdf