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修士論文の紹介:「不法行為と損害賠償を巡る課税上の諸問題」(59)

今回は修士論文の第2章第1節第3項の2回目を見ていきます。しばらくは、不法行為の行為者を巡る課税上の問題点を論じていきます。今回も、不法所得に対する課税の適否を論じています。第3項では、未収の場合の不法所得を考察しています。

「ただ、松沢教授は、法的把握説の立場に立ちながらも、法的把握を法によって保護された権利としてではなく、現に経済的利益を継続支配し占有している限りにおいてのみ法の保護がなされるという前提にたてば、これを法的支配、換言すれば、「経済的成果(利益)の法的支配説」1と呼ぶことができるが、それによれば、未収の場合には法によって実現の強制ができず、単に事実上期待しうるにとどまるので所得を構成しないが、現実に収受した場合には、占有に伴う権利は認められ、それは本権(所有権)の如何を問わないので所得を構成する益金(収入金額)となるものと解することが出来ると説明される2。」

1 松沢智・前掲注6118

2 松沢智・前掲注6118

最近、うちの息子(29ヶ月)がSL(蒸気機関車)にはまっていて、毎週のように埼玉県宮代町の宮代町役場前にあるスキップ広場に遊びに行っています。ここにはSLが展示されていて、運転席にも乗れるようになっています。SLが展示されている公園は、埼玉県行田市や埼玉県熊谷市など近所にもあるのですが、運転席には乗ることができません。運転席に乗れるSLは貴重なのです。

うちの息子は、SLに乗ったり滑り台や砂場で遊んだりを繰り返して、飽きないみたいです。先週の土曜日は、遊びに来ていた4才の女の子と仲良くなって、鬼ごっこをして皆で遊びました。

この広場の近くの東武線の踏切も、変わった電車がたくさん通るので、ここもお気に入りのようです。自宅からは車で1時間ほどかかり決して近くではないのですが、息子はまた行きたいと言っているので、また連れて行ってあげようと思います。

(2021914日)

修士論文の紹介:「不法行為と損害賠償を巡る課税上の諸問題」(58)

今回は修士論文の第2章第1節第3項の1回目を見ていきます。しばらくは、不法行為の行為者を巡る課税上の問題点を論じていきます。今回も、不法所得に対する課税の適否を論じています。第3項では、未収の場合の不法所得を考察しています。

 「3項 不法利得の課税時期

 これまでの議論により、不法所得が課税の対象となることが論じられたが、一方では、その不法所得が未収である場合にも所得計上が必要か否かという問題が残る。例えば、利息制限法超過の未収利息・損害金に対する課税上の問題点等が存在するのである。

 従来の見解では、私法上有効に保管しうる利得のみが課税所得を構成するという立場である法的把握説によるものであり、利息制限法超過未収利息に対する課税は、違法であるから裁判上請求できず、未収の場合には勿論、既収の場合でも収入金額とならず課税できないと解されることもあった。

  しかしながら現在では、経済的にみて利得者が現実にそれを支配し、自己のために享受している限り不法利得も課税所得を構成するという立場である経済的把握説に立って、違法利息であってもそれが収入金額に該当するか否かは、それが法的権利として有効であるかどうかではなく、当事者間において事実上利息の約定がなされ、それが経済的にみて収益実現の蓋然性があるかどうかによって課税を決定することになるとするのが判例、実務の採る見解となっている。」

 弊社が申請をサポートした事業再構築補助金第2回公募の発表が、92日の夜に行われました。弊社がサポートした顧問先は、無事に採択されました!!しかも、補助率の高い緊急事態宣言特別枠での採択になりました。通常枠での補助率が2/3(約67%)に対して、緊急事態宣言特別枠での補助率が3/475%)なので、補助率が通常枠よりも約8%ほど高いことになります。結果は事業再構築補助金のHP上で行われたのですが、結果を見る時は大学入試や税理士試験などの合格発表をみるかのように、とても緊張しました。サポートした顧問先の名前を見つけた時は、本当に嬉しかったです。

  しかし、これで終わったわけではありません。これから補助金の交付申請という第2の関門が待っているので、これに向けて対応しなければなりません。補助金が実際におりるまでは、まだ1年以上もかかります。とりあえす、交付決定に向けてがんばります。

(202197日)

修士論文の紹介:「不法行為と損害賠償を巡る課税上の諸問題」(57)

今回は修士論文の第2章第1節第2項の2回目を見ていきます。しばらくは、不法行為の行為者を巡る課税上の問題点を論じていきます。今回も、不法所得に対する課税の適否を論じています。第2項では、不法所得を所得概念から考察しています。

そのうえで、所得の考え方には、制限的所得概念と包括的所得概念の2種類がある。制限的所得概念は、「経済的利得のうち、利子・配当・地代・利潤・給与等、反復的・継続的に生ずる利得のみを所得として観念し、一時的・偶発的・恩恵的利得を所得の範囲から除外する考え方」である。一方、包括的所得概念とは、「人の担税力を増加させる経済的利得はすべて所得を構成することになり、したがって、反復的・継続的利得のみでなく、一時的・偶発的・恩恵的利得も所得に含まれる」とする考え方である1。

 わが国では、戦後にアメリカ法の影響のもと、包括的所得概念を採用している。アメリカでは、今日、源泉のいかん、形式のいかん、合法性の有無にかかわらず、人の担税力を増加させる利得はすべて所得を構成すると解されているが、わが国の所得税法の解釈としても同じ考え方が妥当すると考えられている。従って、合法な利得のみでなく、不法な利得も課税の対象となると解することができる2。」

1  金子宏『租税法 第15版』(弘文堂、平成22年)169

2  ただし、制限的所得概念であるからといって必ずしも不法所得に対する課税が認められなくなるというものではないとする見解もある。(中里実「所得の構成要素としての消費−金子宏編『所得課税の研究』」(有斐閣、平成3年))69頁)

弊社で申請をサポートした事業再構築補助金第2回公募の結果が、今週中にも発表されると思います。毎日、ドキドキしながら採択結果を待っています。要件や書類の不備による不採択に関しては、該当者に既に不合格の通知が届いているようなので、その点については大丈夫だったのかなと思います。弊社としてもこれから力を入れていこうとしている分野なので、無事に採択されることを願っています。

(2021831日)

修士論文の紹介:「不法行為と損害賠償を巡る課税上の諸問題」(56)

今回は修士論文の第2章第1節第2項の1回目を見ていきます。しばらくは、不法行為の行為者を巡る課税上の問題点を論じていきます。今回も、不法所得に対する課税の適否を論じています。第2項では、不法所得を所得概念から考察しています。

2項 所得概念からの考察

不法所得に対する課税の適否を判断するためには、まず、「所得」そのものの概念を明確にしなければならない。

第一に、「所得」は税法上の固有概念であり、「ある利得が所得であるかどうかは、その利得の原因をなす行為や事実の法的評価をはなれて、実現した経済的成果に即して判定すべき」1であるという学説がある。

また、所得概念については、「経済的利得がすべて所得となるのではなく、社会的な秩序の力によって財産権の内容をなす経済的利益がその者の継続された事実的支配の裡に存って、担税力を認めうる程度にその利益を享受していると認められるような客観的事情が備わることによって課税適状を生じ初めて所得となるとなりうる。」2との見方もある。

前者の説によれば不法所得に対する課税は容認されることとなるが、後者の考え方によれば、場合によっては課税が否定されるということになるのではないだろうか3。」

1  金子宏『租税法(第4版)』(弘文堂)112

2  松沢智『租税実体法』(中央経済社)118

3  ただ、後説の松沢教授も「経済的利得の法的支配」という観念を用いられて課税を可能とする考え方を採られている。(松沢智・前掲注6118頁参照)

将棋の藤井聡太王位・棋聖のニュースが楽しみです。最近では、叡王戦でタイトル奪取まであと1勝としていましたが、豊島叡王・竜王に22敗のタイに持ち越されました。王位戦でも豊島竜王・叡王と戦っており、藤井聡太王位がタイトル保持まであと1勝としています。竜王戦も藤井聡太王位・棋聖があと1勝すれば、豊島竜王に挑戦することになります。藤井聡太王位・棋聖と豊島竜王・叡王と渡辺名人の3人は、現在の将棋界でトップ3を走っています。この先、藤井聡太王位・棋聖が8タイトルの独占まで独走するのか、豊島竜王・叡王と渡辺名人が独走を止めるのか、目が離せません。

(2021824日)

修士論文の紹介:「不法行為と損害賠償を巡る課税上の諸問題」(55)

今回は修士論文の第2章第1節第1項の4回目を見ていきます。しばらくは、不法行為の行為者を巡る課税上の問題点を論じていきます。今回も、不法所得に対する課税の適否を論じています。

 「アメリカにおいても、横領並びに違法な所得(embezzled or other

illegal income)であっても総所得に算入される。ここでいう、違法な所得とは、賄賂の収受等のみならず、麻薬売買などの違法な営業により獲得された所得などを含んでいる1。」

1 伊藤公哉『アメリカ連邦税法 所得概念から法人・パートナーシップ・信託まで 第3版』(中央経済社)83

お盆休み前に、うちの息子が体調を崩してしまい、10日ほどたいへんな時期が続きました。うちの息子は熱が高かったのですが、診てくれる病院を探すのがたいへんでした。ニュースなどで医療ひっ迫が叫ばれていますが、その一端を垣間見た気がします。何件も病院に電話して、幸い行田総合病院の小児科の女医の先生が診察してくれました。息子も徐々に回復して今はすっかり元気になりました。診察を受け入れてくれた先生には、本当に感謝しています。息子も元気になってくれて、本当に良かったです。

(2021818日)

修士論文の紹介:「不法行為と損害賠償を巡る課税上の諸問題」(54)

今回は修士論文の第2章第1節第1項の3回目を見ていきます。しばらくは、不法行為の行為者を巡る課税上の問題点を論じていきます。今回も、不法所得に対する課税の適否を論じています。

「また、税務調査を犯罪捜査から引離すためにも課税は必要とされる。もし、不法所得が課税対象に含まれず、当該利得は課税してはならないということになると、次のような問題が生じるように思われる。

すなわち、現実的には課税段階でいったん課税しておいて後日不法利得であることが判明した時点で調整するということになろうが、理論的には、課税庁はいちいち課税前に適法利得か不法利得かを判断しなければならないということになる。課税段階でこのことが判明しているケースはきわめて希であり、この点を判明してからでなければ課税できないというのでは実務上も困難であり、何よりも税務調査は「犯罪調査のために認められたものと解してはならない」(所法234条②)という趣旨に反する。

つまり、原因を問わず一律に課税するというのは、税務調査を犯罪調査から引離すためにも必要な措置だと思われ、ここに不法利得課税の積極面を見出すことができる1。」

1  三木義一・前掲注1108頁参照

先週の金曜日と土曜日に、家族3人で新潟県長岡市の寺泊まで海水浴に行ってきました。天候にも恵まれて、海水浴を楽しむことができました。息子ははじめ海を怖がって、「おうちにかえりたい」と言っていましたが、砂遊びからはじめてだんだん海に慣らしていって、最後には浮き輪で海に入れるようになりました。息子も海が楽しくなった様子で、「うみたのしい」「かえりたくない」と話していました。

海水浴の後、海の家でラーメンとカレーを食べて、寺泊の魚市場へ行きました。イカ焼きやアイスやパイナップルなどを食べて、お土産を買って帰りました。

今週から埼玉も緊急事態宣言のようなので、少しタイミングが遅かったら海水浴には行けなかったかもしれません。オリンピックは開催してよくて、旅行や帰省がダメという理屈がどうにも理解できません。

(202183日)

修士論文の紹介:「不法行為と損害賠償を巡る課税上の諸問題」(53)

今回は修士論文の第2章第1節第1項の2回目を見ていきます。しばらくは、不法行為の行為者を巡る課税上の問題点を論じていきます。今回も、不法所得に対する課税の適否を論じています。

「不法利得も課税対象とすべきことの正当化根拠のうち、最も重要なものは適法利得への課税との公平論である。「適法な利得と同様に納税者の支配下にあって、その担税力を増加させているにもかかわらず、不法なものであるという理由でそれを課税の対象から除外することは、不法利得を不当に優遇することになり負担公平の原則に反する。むしろ、それを所得に含めることが、担税力に即した公平な税負担の配分という所得税の基本理念に一致するゆえんである。」1という学説が正当化根拠としてきわめて説得力を有している。」

1 金子宏「租税法における所得概念の構成(三)」(法学協会雑誌929号)1118頁以下

先週の連休は、山梨県富士吉田市の河口湖に旅行に行く予定でしたが、結局行きませんでした。ニュースで見ると、中央自動車道などの高速道路は大渋滞だったそうなので、行かなくて良かったかなと思います。

その代わりに、奥さんと息子と中学生の甥っ子・姪っ子と一緒に、群馬県藤岡市にある鮎川という川で川遊びをしました。水深が深いところで30㎝くらいで危険もあまりないので、比較的安心していられました。息子は水が怖いようで、川には入りたがりませんでした。近くにある「土と火の里公園」の食堂で、息子と一緒にかき氷とおにぎり、うどんを食べました。甥っ子と姪っ子の世話は、奥さんに任せました。甥っ子は、網でドジョウなどの魚を捕まえていました。ニジマスやヤマメなどが釣れる釣り堀も近くにあったので、甥っ子と姪っ子は釣りを楽しみました。10匹ほど釣れたので、塩焼きとから揚げにしてもらい、皆で食べました。

甥っ子と姪っ子は活発なので、事故が起きないか心配でしたが、無事に帰ることができて良かったです。息子も帰りの車では、疲れたのか眠っていました。埼玉県上里町の奥さんの実家に着いてからは、エアコンの効いた部屋で息子と昼寝しました。奥さんは、「コロナを忘れられて楽しかった」と話していました。甥っ子と姪っ子も楽しかったみたいです。自然の中で、夏のひと時を楽しむことができました。

(2021727日)

修士論文の紹介:「不法行為と損害賠償を巡る課税上の諸問題」(52)

今回は修士論文の第2章第1節第1項の1回目を見ていきます。今回から第2章に入り、不法行為の行為者に係る課税上の問題点を論じていきます。しばらくは、不法所得に対する課税の問題を取り上げます。今回は、不法所得に対する課税の適否を論じています。

「第2章 不法行為の行為者を巡る課税上の問題点

第1節 不法所得に対する課税

  第1項 課税の適否

不法所得とは、合法な利得ではなく不法な利得によってもたらされた所得のことである。不法な利得とは違法ないし私法上無効な利得のことである。不法な利得に課税すべきか否かについてはわが国でも論争があり、実務上も若干の変動があったが、今日では所得という経済的利益を享受している以上その原因の合法・違法は問わない、ということで学説・判例・実務も一致している1。」

1 「裁判例ではいわゆるネズミ講事件をはじめいくつかの事例で簡単に『所得税法上の所得とはその源泉の合法・違法とは無関係な経済上の概念であって、現実の収入をもたらすべき行為の違法性を問うことなく、現実に利得が実現している限り、それを課税対象としたものと解され、またかかる扱いにより納税者の担税力に応じた課税が実現されることとなる。』と当然のごとく述べられ、この点はもはや論争にならない状態である。」三木義一「不法利得課税論」(金子宏編『二訂版 所得税の理論と課題』(税務経理協会))107

事務所のある埼玉県久喜市でも、ようやく梅雨が明けました。梅雨が明けて、じめじめした日々からは解放されましたが、今度は猛暑が襲ってきました。暑さとエアコンのため、体が怠いです。

今週は、木曜日と金曜日が連休なので、山梨県富士吉田市の河口湖にでも行こうかと計画しています。河口湖は、若干高地にあるので、少しは涼しいかなと思います。心配なのは、オリンピックのせいでに交通規制が行われているため、渋滞が発生しないかということです。

ともあれ、事務所は閑散期でもありますし、これから夏の時を楽しもうと思います。

(2021720日)

修士論文の紹介:「不法行為と損害賠償を巡る課税上の諸問題」(51)

今回は修士論文の1章第2節第3項の3回目を見ていきます。今回も、税法上の不法行為と損害賠償についての基本的な考え方を論じています。ここでは、企業会計と税法における不法行為の取扱いについて論じています。

今回で第1章が完結となります。長い間お付き合いいただきありがとうございました。

このように、企業会計と税法では不法行為の取り扱いがかなり異なっているといえよう。しかしながら一方で、税法の不法行為に対する取扱いも企業会計に出来る限り近づけていこうとする意見も見られることは注目される。例えば、不法行為の支出金の損金性に関しては、法人税法224項の企業会計準拠主義を根拠として幅広く認めていこうとする見解も存するのである1。」

1 中村利雄『法人税の課税所得計算<改訂版>』(ぎょうせい、平成2年)137頁。なお他に、金子宏教授も不法支出金について次のように述べている。「所得税は所得を対象として課されるものであり、収入のうち必要経費に相当する部分は資本の回収にすぎず、それを上回る部分のみが所得であるから、法律が特に必要経費の控除を否定していない限り、控除を認めるべきであろう」(金子宏「租税法における所得概念の構成(三)」法学協会雑誌9291132頁)

仕事の方も繁忙期を過ぎて少し落ち着いてきました。先週の土曜日は、梅雨の合間の晴天で気温も30度を超えたので、家族3人でかき氷を食べに行ってきました。埼玉県熊谷市にあるシノン洋菓子店というお店で、「雪くま」というご当地名物のかき氷です。マンゴーミルクとレアイチゴを注文して、とても美味しかったです。息子は初めてのかき氷だったので、楽しそうに食べていました。JR高崎線の籠原駅側の電車車両基地も近くにあったので、かき氷を食べた後見学に行きました。息子は電車が大好きなので、特急草津も見られて満足そうでした。

(2021714日)

雪くま.JPG


修士論文の紹介:「不法行為と損害賠償を巡る課税上の諸問題」(50)

今回は修士論文の1章第2節第3項の2回目を見ていきます。今回も、税法上の不法行為と損害賠償についての基本的な考え方を論じています。ここでは、企業会計における不法行為の取扱いについて論じています。

「また、企業会計上は、損害賠償金は通常、雑収入として営業外収益に区分されるか若しくは特別利益として計上されるが、税法上はその課税・非課税が問題となり、さらに不法行為によって被った損失と損害賠償請求権の発生時期及び確定時期も問題となる。

 これは、企業会計では発生主義会計を採用しており、収益を実現主義の原則により認識し、費用は発生主義の原則及び費用収益対応の原則により認識されることによるが、税務上は所得を権利確定主義のもとで認識することに起因する。ここで、権利確定主義とは、通説・判例からは「権利の『発生』と同一ではなく、権利発生後一定の事情が加わって権利実現の可能性が増大したことを客観的に認識することができるようになったとき」を意味する1。」

1  矢田公一「不法行為に係る損害賠償の帰属の時期−法人の役員等による横領等を中心に」(税務大学校論叢62巻)102

その世界で、ずば抜けて才能がある人も時々現れます。将棋の藤井聡太王位・棋聖や大リーグの大谷翔平選手も、超一流といっていいほど他の選手たちとは格が違っています。

数学の世界でも、才能に恵まれた日本人の青年がいるのを最近知りました。金子生弥さんというまだ18才の青年です。この青年は、通信制の高校を卒業したら、大学4年間を飛び級してカリフォルニア工科大学大学院に合格しました。カリフォルニア工科大学は世界の大学ランキングでもトップ10に入るほどの名門大学です。中学3年生の頃から、数学の論文を発表しているそうです。何とも格が違う感じです。大学院では、数学の超難問「リンデレーフ予想」の解明を目指すそうです。これから先の活躍が楽しみです。

 202177日)

修士論文の紹介:「不法行為と損害賠償を巡る課税上の諸問題」(49)

今回は修士論文の1章第2節第3項の1回目を見ていきます。今回も、税法上の不法行為と損害賠償についての基本的な考え方を論じています。ここでは、企業会計における不法行為の取扱いについて論じています。

3項 企業会計における不法行為の取り扱い

 企業会計上は、不法行為によってもたらされた不法利得であったとしても、その態様に応じて、売上又は営業外収益ないし特別利益として認識されるが、税法上は益金に算入されるかどうかが問題となる。また、不法行為に係る支出金においては、その態様に応じて売上原価や販売費及び一般管理費又は営業外費用ないし特別損失として認識されるが、税法上はその損金性又は経費性が問題となる。」

通常は、会計事務所では6月から7月上旬までも忙しい時期になります(もちろん12月から3月までの年末調整・個人の確定申告の方がずっと忙しいですが)。源泉所得税の納期の特例や社会保険の算定基礎、労働保険申告などの期限が710日頃になるからです。4月決算の法人の申告もあります。それに加えて、今年は事業再構築補助金の申請にも手掛けていたので、とても忙しかったです。それも、何とか落ち着きつつあります。

この時期になると、この近辺ではノウゼンカズラが咲くようになります。この花を見ると「夏が来た!」と思わせられます。楽しい夏ももうすぐです。

 (2021629日)

ノウゼンカズラ.JPG


修士論文の紹介:「不法行為と損害賠償を巡る課税上の諸問題」(48)

今回は修士論文の1章第2節第2項の2回目を見ていきます。今回も、税法上の不法行為と損害賠償についての基本的な考え方を論じています。ここでは、税法における不法行為の考え方について論じています。

 「そして、不法行為によって被った損失と損害賠償請求権の発生時期及び確定時期に関しては、私法上重要な問題として取り扱われないが、税法上は昭和40年代から現在にいたるまで様々な議論がなされている。

 さらに、役員の横領行為に関して、民事訴訟においては損害賠償請求権が確定しているにもかかわらず、続く税務訴訟では、税法上損害賠償請求権を否定し賞与に該当すると判断された事例がある1。同一の事実について、私法上の判断と税法上の判断との間に齟齬を来たしているものも存在するのである。」

1  大阪高判平成15827日、TKC法律情報データベース

今日は6月だというのにとても暑いです。九州の方では35度を超えたそうです。今からこんなに暑いのでは、7月、8月がどれほど暑くなるのかおそろしいです。東京オリンピックの開催については賛否両論あり、あえてふれませんが、もしやるとしたら灼熱の東京で選手や関係者はたいへんだと思います。

(202169日)

修士論文の紹介:「不法行為と損害賠償を巡る課税上の諸問題」(47)

今回は修士論文の1章第2節第2項の1回目を見ていきます。今回も、税法上の不法行為と損害賠償についての基本的な考え方を論じています。ここでは、税法における不法行為の考え方について論じています。

2項 税法における不法行為の考え方

私法の規定する不法行為は、前述のように成立要件や損害賠償の範囲など私法関係において様々な問題点が存在するが、税法においては私法の規定を基としながらもそれとは観点を異にする問題点が存在する。

 例えば、私法上は不法行為を前提とした法律行為は認められていないが、税法上は不法行為によってもたらされた不法所得は課税の対象となる。私法上は占有の状態であったとしても、税法上は所有者の如く課税の対象となるのである。また、私法上は不法行為に係る支出金は、善意の第三者に対して有効であるが、税法上は不法行為に係る支出金の損金性又は経費性が問題となってくる。」

先週の土曜日に、アジサイが咲いているかと思い、埼玉県幸手市の権現堂公園に行きました。でも、コロナの影響か駐車場が閉鎖されており、アジサイもあまり咲いていないようでした。そこで、埼玉県宮代町の方までドライブしました。東武動物公園駅から少し東京方面へ向かったところにある踏切で、電車を見ました。この踏切は、東武伊勢崎線と東武日光線と地下鉄半蔵門線が通るため、ひっきりなしにいろいろな電車が見られました。電車が大好きな息子は、大笑いして楽しんでいるようでした。

 (202162日)

修士論文の紹介:「不法行為と損害賠償を巡る課税上の諸問題」(46)

今回は修士論文の1章第2節第1項第2号の3回目を見ていきます。今回も、税法上の不法行為と損害賠償についての基本的な考え方を論じています。ここでは、私人の国等に対する不法行為について総括しています。

「以上を総合すれば、行政上の私人の不法行為に対しては行政上の強制執行や制裁等の発動により損害賠償請求権を国等が行使する必要性は少ないと思われるが、場合によっては国等が当該私人に損害賠償を請求することも当然に認められる。」

今日は在宅勤務をしています。梅雨を思わせるような雨が降っていて、なんとなく気分がよくないです。普段から水分は多くとりますが、在宅勤務だとコーヒーを飲む量が増えます。義理のお姉さんから頂いたバリスタが大活躍してます。豆から煎れたコーヒーにはかないませんが、バリスタもおいしいです。バリスタは手早くできあがるのが気に入っています。

 (2021519日)

修士論文の紹介:「不法行為と損害賠償を巡る課税上の諸問題」(45)

今回は修士論文の1章第2節第1項第2号の2回目を見ていきます。今回も、税法上の不法行為と損害賠償についての基本的な考え方を論じています。ここでは、私人の国等に対する不法行為について論じています。

「なお、行政罰は、刑法の規定が準用される行政刑罰と軽微な形式的違反行為に対して科される過料等の秩序罰に分かれるが、前者には両罰規定の適用があり、後者については故意・過失の主観的要件は必要がないものとされている1。国税におけるほ脱犯はこの行政刑罰に当たるものといえよう。また、国税における加算税の性格については、秩序罰とする見解や、制裁的意味の薄い一種の経済的負担とする説2等に分かれるが、この加算税には損害賠償としての意味合いは全くない。ただ、これらの制裁等を科すことにより、不法な状態が即座に解消され、新たに損害賠償をする必要もないことも多いと思われる。」

1 浦和地裁昭和34317日判決(民集103498頁)

2 金子宏『租税法 第15版』(弘文堂)650

今、決算の業務の他に、一時支援金の事前確認や事業再構築補助金の申請の仕事もしています。事業再構築補助金は、規模の大きな補助金になります。事業再構築補助金の申請では、A4用紙で15枚ほどの事業計画書の提出も求められます。この事業計画書を作成するうえで、大学経営学部や大学院経営学研究科で論文やレポートの作成を行ったことがとても役に立っています。特に、大学院での諸学会の研究報告や管理会計学・経営分析学のレポート報告は、事業計画書の作成に直結していると感じています。論文を書くことはもともと苦にならない性分なので、この仕事はやりがいがあります。事業再構築補助金は競争率も高いので、採択されることを願っています。

 (2021514日)

修士論文の紹介:「不法行為と損害賠償を巡る課税上の諸問題」(44)

修士論文の1章第2節第1項第2号の1回目を見ていきます。今回も、税法上の不法行為と損害賠償についての基本的な考え方を論じています。ここでは、私人の国等に対する不法行為について論じています。

「次いで、納税者が国等に対し不法行為を行なった場合については国等も一つの人格の主体として理論的には損害賠償請求権を有することとなろう。しかしながら、国等は公権力の行使機関として強力な自力救済、原状回復手段として行政代執行法に基づく強制執行権を有しており、この行使により損害賠償請求権はそのほとんどが代替されることとなる1。

ただ、この強制執行は不法占拠建物の撤去など代替的な作為義務についてのみ可能で、建物からの立退き要求などの非代替的作為義務や不作為義務には及ばない。したがって、これらについては法律上特別の規定がない限り行政上の強制執行は行なえないため、法はしばしば行政罰やその他の経済的負担等の制裁を課すことによって、行政上の義務違反に対しその履行を図ろうとしている。」

1 原田尚彦『全訂第七版[補訂版] 行政法要論』(学陽書房)223頁参照

 ゴールデンウイーク中に、群馬県安中市にある碓氷峠鉄道文化むらへ家族3人で行ってきました。息子は電車を見るのが大好きなので、とても喜んでいました。園内を一周できる電車にも乗って、見ている人に手を振っていました。帰る時には、(2個目の)アイスクリームを食べたいとか、ぐずっていてたいへんでした。横川の峠の釜めしを売っているお店もすぐすばにあって、帰りには釜めしを買って帰りました。

自然も豊かな場所で、また来たいなと思いました。

(202157日)

碓氷峠鉄道文化むら.JPG

修士論文の紹介:「不法行為と損害賠償を巡る課税上の諸問題」(43)

今回は修士論文の1章第2節第1項第1号の4回目を見ていきます。今回も、税法上の不法行為と損害賠償についての基本的な考え方を論じています。ここでは、国家賠償法と私人間の損害賠償の相違点について論じています。

「ここで、国家賠償法が私人間の損害賠償(使用者責任)と異なる点としては次のようなものがある1。

イ. 国等の責任が公務員の「公権力の行使」に関する行為についてのみ認められる。したがって、公の施設やサービスの利用関係等公権力の行使に当たらない行政契約上の違反については国家賠償法の適用はなく、民法上の債務不履行規定が準用されることとなる。

ロ. 不法行為をした公務員に対する国等の求償権は制限されている。すなわち、公務員に故意または重大な過失があった場合を除いては、求償権の行使は認められない。

ハ. 公務員の被害者に対する対外責任は、一切生じない2。

また、公法的な問題解決方法としては、第1に、更正の請求があり、これは行政手続き的に行政法内部で問題を解決する方法である。第2に、減額更正処分の義務付け訴訟がある。第3に、少し極端な考え方として、損失補償3説がある。」

1 川井健・前掲注8444

2 「国または公共団体が賠償の責に任ずるのであって、公務員が行政機関としての地位において賠償の責任を負うものでなく、また公務員個人もその責任を負うものではない」(最判昭和30419日、民集95534頁)

3 損失補償とは、「適法な公権力の行使によって加えられた特別の犠牲に対し、公平の見地から全体の負担においてこれを調整するための財産的補償をいう。土地収用に対する損失補償、農地の強制買収の対価などがその例で、適法行為に基づく財産権の侵害(むしろ、法自身が侵害を予定し又は命じている場合が多い)に対する補償である点で不法行為に基づく損害賠償と区別される」(法律学小辞典(有斐閣)743頁)

 先週の土曜日に、埼玉県加須市騎西の玉敷公園へ家族3人で藤を見に行きました。毎年恒例の藤まつりはコロナ禍のため中止でしたが、藤は満開できれいに咲いていました。でも、息子は藤には興味を示さないで、タンポポに興味があるようでした。公園にあった滑り台も気に入ったようで、暗くなるまで何度も滑っていました。

(2021427日)

騎西ふじ.JPG

修士論文の紹介:「不法行為と損害賠償を巡る課税上の諸問題」(42)

今回は修士論文の1章第2節第1項第1号の3回目を見ていきます。今回も、税法上の不法行為と損害賠償についての基本的な考え方を論じています。ここでは、国家賠償法11について論じています。

国家賠償法11項は、「国又は公共団体の公権力の行使に当たる公務員が、その職責を行なうについて、故意又は過失によって違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。」と規定して、民法715条(使用者責任)とほぼ同趣旨のことを定めているが、当該公務員の不法行為を要件として、国等の責任を認めるという代位責任の考え方に立脚している。

先週の土曜日に、埼玉県羽生市の手子林というところをドライブの途中で通ったら、キジの雄が道路を横切っていきました。しばらくの間、キジは田んぼを歩いていました。キジの雄は、色彩も鮮やかできれいです。あまり見ることはないので、ラッキーでした。

 (2021421日)

キジの写真.jpg

修士論文の紹介:「不法行為と損害賠償を巡る課税上の諸問題」(41)

今回は修士論文の1章第2節第1項第1号の2回目を見ていきます。今回も、税法上の不法行為と損害賠償についての基本的な考え方を論じています。ここでは、不法行為の一方当事者が国等である場合について論じています。

そのような私法関係から、国等が行なった課税処分が無効な場合に、いわゆる過納金ではなくて誤納金の場合には、不当利得返還請求権が可能であるとされている。最高裁平成2263日判決(違法課税処分に関する国家賠償請求)においては、誤納金ではなくて過納金、単なる取り消し得べき瑕疵があるに過ぎない場合であっても、国家賠償は可能であるとまで言っている。

 また、租税の過払いというのは、実体法的には民法上の不当利得に該当する2。納税者がそれについて救済を求める私法的な手続きとしては、先ほど述べた、不当利得返還請求及び国家賠償法による国家賠償請求ができる可能性がある。」

1 中川丈久「確定処分の違法と国家賠償」(『租税判例百選』、第5版)222

2 中里実・前掲注2270

43日の土曜日に、家族3人で栃木県佐野市にあるみかも山公園に行ってきました。三毳山の裾野を一周するフラワートレインという蒸気機関車の形をしたバスが走っていて、電車好きの息子は大喜びでした。大人1550円(時期によっては金額が異なるみたいです)で乗り放題だったので、何度も乗り降りして楽しみました。天気も良く、桜もまだ咲いていたので、車窓からの景色も楽しむことができました。フラワートレインの東口広場の駅の近くには、野菜や果物を売っているお店があり、イチゴを買って食べました。帰途に向かうフラワートレインでは、息子は眠ってしまいました。春の陽気の一日を満喫しました。

 (2021414日)

修士論文の紹介:「不法行為と損害賠償を巡る課税上の諸問題」(40)

今回は修士論文の1章第2節第1項第1号の1回目を見ていきます。ここからはいよいよ、税法上の不法行為と損害賠償についての基本的な考え方を論じていくことになります。ここでは、不法行為の一方当事者が国等である場合について論じています。

2節 税法上の不法行為と損害賠償についての基本的な考え方

  第1項 国家と私人間の不法行為

   第1号 国等の不法行為

 不法行為の一方当事者が国等(国及び地方公共団体を指す。以下同じ)となる場合についても、上述(前節)の私人間における不法行為の考え方が概ねあてはまる。

まず、国等が不法行為の行為者となった場合においては、私人は国等に対して損害賠償を請求することができる。これは、判例からみると、大審院大正561日判決(徳島小学校遊動円木事件)において「小学校ノ管理ハ行政ノ発動ナルコト勿論ナレドモ、ソノ管理能力ニ包含セラルル小学校校舎ノ施設ニ対スル占有権ハ公法上ノ権力関係ニ属スルモノニアラズ、純然タル私法上ノ占有権ナルノミナラズ、ソノ占有ヲナスニモ私人ト不平等関係ニ於テコレヲナスニアラズ、全ク私人ガ占有スルト同様ノ地位ニ於テソノ占有ヲナスモノナレバ、コレニヨリ損害ヲ被ラシメタル場合ニオイテ民法第717条ノ規定ヲ適用シタルハ毫モ不法ニ非ズ。」と判示している通りである。

この判決のように、私法関係で見ると、国家と私人を全く平等の立場に置くことを意味する1。

1 中里実「私債権の一種としての租税債権−金銭債権としての租税と不当利得返還請求権−」(租税研究平成24年・1)62

 今回の写真は、群馬県千代田町にある利根川の赤岩渡船のものです。自宅から車で15分くらいの場所にあるので、時々息抜きに訪れています。映画の「男はつらいよ」に出てくる江戸川河川敷を思わせるのどかな風景が広がっています。対岸の埼玉県熊谷市妻沼まで渡り舟で行くことができます。乗船したことはないのですが、無料で乗れるようです。対岸には、大学のグライダー部の基地があり、グライダーが滑空するのを見ることもできます。

真冬は赤城おろしの風が強く、ボードセイリングやカイトサーフィンがすごいスピードで滑走しているのを見ることができます。カイトサーフィンは、ジャイブする時に23メートル飛び上がるので、見ごたえがあります。大学時代はヨットに乗っていましたが、今では見ることが楽しいです。

(202146日)

赤岩渡船場.JPG

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