Q81.節税について教えてください(4)。(千葉県松戸市在住K様他多数のご質問)
今回は、前回解説しました中小企業倒産防止共済の払い戻し時の対策について、ご説明いたします。
中小企業倒産防止共済は、掛金の総額が800万円となっており、40カ月以上支払った場合に全額が払い戻しされます。しかし、総額をかけた場合に将来払い戻される800万が、そのまま会社の収益になってしまいます。この800万円には消費税は課税されませんが、法人税等の課税対象となってしまいます。繰越欠損金がある時や赤字のときに払い戻しを受けることも一つの対策になると思います。その他にも、法人税等の課税を避けるために、役員退職金を有効に活用することが考えられます。
20年〜30年の長い目で見ることになりますが、将来役員を交代する場合や役員を退職する際に、倒産防止共済の払い戻しを退職金として受け取ることが一つの対策になります。会社の収入として800万円は計上されますが、退職金として800万円の経費を支払うことにより、払い戻しによる会社の利益を0円にすることができます。
このときに問題となるのが、役員個人に対して退職収入が800万円計上されてしまうことです。しかし、所得税の退職所得は税金の中でも優遇されている税金であり、40万円×勤続年数(勤続20年まで、20年を超えるときはさらに増額)を退職所得控除として控除することができます。したがって、20年役員を務めると、40万円×20年=800万円の退職所得控除が受けられるため、役員個人に対しても所得税・住民税が課せられないことになります。
ただし、役員退職金は経営者のお手盛りが入り込みやすい事項ですので、不相当に高額な部分は税務署に否認されるおそれがあります。通常は、「役員退職金=最終役員報酬×勤続年数×功績倍率」という算式で役員退職金は決定されます。ここで、功績倍率は、社長なら3倍、社長の親族なら2倍という具合で決定されます。功績倍率を決める際には、類似する他社の平均値や過去の判例にも十分注意する必要があります。功績倍率など役員退職金の算定方法は、役員退職金規定などを株主総会で決定して、議事録を残しておく必要があります。そうしておけば、税務調査の際にもご安心できるかと思います。
今回の写真は、群馬県藤岡市のお寺に咲いていた椿と花桃(?)です。
先日、4ヵ月の子供の初節句の写真を撮影するために、埼玉県加須市にあるスタジオAに行ってきました。はじめは子供の機嫌も良く、早く撮影が終わるかなと思っていたのですが、ぐずりだして眠ってしまったので結局撮影が終わるまでに5時間もかかってしまいました。子供がいると思うようにならないです。でもよい写真が撮れたので良かったです。
(2019年4月16日)
(国税庁HP)
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/hojin/09/09_02_07.htm
