修士論文の紹介:「不法行為と損害賠償を巡る課税上の諸問題」(36)
今回は修士論文の第1章第1節第2項第3号の1回目を見ていきます。ここでは、不法行為による損害賠償と契約上の損害賠償との相関性について論じています。
第3号 不法行為による損害賠償と契約上の損害賠償との相関性
損害賠償の原因としては、不法行為に基づくものと契約の不履行によるものとがある。一般にはこの両者の関係については、不法行為は、加害行為以前には法律上の関係のなかった加害者と被害者との間にあらたに債権債務関係を発生させるものであるが、これに対して、契約の不履行では、すでに契約などの法律関係にあり、そこにおける債務の不履行によって、別に損害賠償請求権が生ずるものであるとされている1。
ところが、すでに契約関係が存在する当事者の間において、ある加害行為が契約上の債務の不履行とみられると同時に、不法行為の要件をも満たしている場合がある。よく例として指摘されるのは、医師の医療行為であり、医師の医療行為によって患者に損害が生じた場合には、診療契約による債務の不履行とみることができると同時に、患者に対する医師の不法行為とみることもできるとされるのである2。
1 森島昭夫『不法行為法講義』(有斐閣、昭和62年)2頁以下参照
2 実際に、輸血によって梅毒に感染した損害賠償の事案においては、患者と病院との間に診療契約が存在していたのであるが、裁判所は、病院の不法行為責任を認めている。
今日から2月に入りました。これから個人の確定申告や法人の12月決算で、とても忙しくなります。なんとかこの時期を乗り越えたいです。
ろう梅も咲き、梅もちらほら咲いているのを見かけるようになりました。
今日は節分で、暖かい風も吹いています。
春ももうすぐです。
(2021年2月2日)