修士論文の紹介:「不法行為と損害賠償を巡る課税上の諸問題」(27)
今回は第1章第1節第1項第3号の1回目を見ていきます。ここでは、民法上の不法行為の成立要件について論じています。
「第3号 不法行為の成立要件
一般の不法行為が成立するためには、次の4つの成立要件を立証しなければならない。①故意又は過失があること、②違法性(または権利侵害や利益侵害)があること、③現実に損害が発生すること、④(行為と損害との間の)因果関係があることである。これらの①から④までは積極的要件として被害者の側で成立要件があることを立証しなければならない。また、①と②の責任、違法性については、行為者がそれぞれの阻却事由の存在を立証すると不法行為の成立が阻却され、免責される。民法は不法行為の成立要件として「故意又は過失」の存在を要求していることから、過失責任の原則6とよばれる。いいかえれば結果責任の原則として、損害が発生すれば直ちに加害者が責任を問われるというのではないのである。」
6.もともと、過失責任の原則は、個人の自由を保障するためであると説明されている。自由競争の必然の結果としての損害については濫りに抑圧されるものではないとされたのであり、不法行為責任とは、個人の自由活動の限界を画する最小限度の制限であるとされてきた。(水野忠恒『税務行政の制度と理論』(有斐閣)209頁)
7月から11月頃にかけて、弊社では閑散期になります。大方の会計事務所でも同様ではないかと思います。閑散期といっても全く仕事がないわけではなく、各月の法人の決算や入力作業、給与計算などがありますので、それなりにやることはあります。
相続税の依頼があると助かるのですが、積極的な営業を行っているわけではないので、依頼されるのを待つのみです。私も、今年は2件の相続税案件を、無事に終えることができました。相続税の案件は、とても神経を消耗するので頻繁には受けたくはないですが、少し心を休めてから今年中にもう1件くらい受けてみたい気もします(不謹慎と思われるかもしれませんが・・・)。
(2020年7月29日)