修士論文の紹介:「不法行為と損害賠償を巡る課税上の諸問題」(43)
今回は修士論文の第1章第2節第1項第1号の4回目を見ていきます。今回も、税法上の不法行為と損害賠償についての基本的な考え方を論じています。ここでは、国家賠償法と私人間の損害賠償の相違点について論じています。
「ここで、国家賠償法が私人間の損害賠償(使用者責任)と異なる点としては次のようなものがある1。
イ. 国等の責任が公務員の「公権力の行使」に関する行為についてのみ認められる。したがって、公の施設やサービスの利用関係等公権力の行使に当たらない行政契約上の違反については国家賠償法の適用はなく、民法上の債務不履行規定が準用されることとなる。
ロ. 不法行為をした公務員に対する国等の求償権は制限されている。すなわち、公務員に故意または重大な過失があった場合を除いては、求償権の行使は認められない。
ハ. 公務員の被害者に対する対外責任は、一切生じない2。
また、公法的な問題解決方法としては、第1に、更正の請求があり、これは行政手続き的に行政法内部で問題を解決する方法である。第2に、減額更正処分の義務付け訴訟がある。第3に、少し極端な考え方として、損失補償3説がある。」
1 川井健・前掲注8・444頁
2 「国または公共団体が賠償の責に任ずるのであって、公務員が行政機関としての地位において賠償の責任を負うものでなく、また公務員個人もその責任を負うものではない」(最判昭和30年4月19日、民集9巻5号534頁)
3 損失補償とは、「適法な公権力の行使によって加えられた特別の犠牲に対し、公平の見地から全体の負担においてこれを調整するための財産的補償をいう。土地収用に対する損失補償、農地の強制買収の対価などがその例で、適法行為に基づく財産権の侵害(むしろ、法自身が侵害を予定し又は命じている場合が多い)に対する補償である点で不法行為に基づく損害賠償と区別される」(法律学小辞典(有斐閣)743頁)
先週の土曜日に、埼玉県加須市騎西の玉敷公園へ家族3人で藤を見に行きました。毎年恒例の藤まつりはコロナ禍のため中止でしたが、藤は満開できれいに咲いていました。でも、息子は藤には興味を示さないで、タンポポに興味があるようでした。公園にあった滑り台も気に入ったようで、暗くなるまで何度も滑っていました。
(2021年4月27日)