修士論文の紹介:「不法行為と損害賠償を巡る課税上の諸問題」(74)
今回は修士論文の第2章第2節第1項の4回目を見ていきます。しばらくは、不法行為の行為者を巡る課税上の問題点を論じていきます。今回は、違法支出金の法人税法上およびアメリカにおける損金性を論じています。
「また、法人税法においては、法人税法55条において、一定の違法支出金は損金に算入しない旨が定められているが、判例において、違法支出金一般について態度が固まっているとはいえない。
一方、アメリカにおいては、罰金、賄賂等を含め、違法な支出等の控除を否認する、判例法上発展した公序の理論(public policy)の考え方があり、違法支出金は全て損金として認識されないこととなっている1。」
1 注解所得税法研究会『注解所得税法(五訂版)』(大蔵財務協会)1012頁。
例えば公務員(政府職員)に対する賄賂(法162条(c)(1))や罰課金(法162条(f))や反トラスト法による制裁金(法162条(g))の支出も含まれる。一方で、賭場開帳のような違法な事業で生じた費用は一般に控除が可能だが、例外として違法な麻薬売買で生じた費用は控除できない(法280E条)。
最近注目しているのは、将棋の王将戦です。藤井聡太4冠(竜王、王位、叡王、棋聖)が渡辺明王将に挑戦しており、3連勝しています。あと1勝すれば、藤井聡太4冠が王将のタイトルを奪取し、史上最年少の5冠になります。順位戦もB1クラスからもう少しでA級に昇級するところまできています。順位戦でA級になれば、名人にも挑戦できる可能性が出てきます。今回の王将戦では、藤井聡太4冠が素人が指すような手を指して、それが好手だったということもあったようです。藤井聡太4冠がどんな面白い手を指すのかも楽しみです。
(2022年1月31日)