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営業時間
平日9時~17時15分

「ある会計事務所の税務調査事件簿(26)」 

 ※この物語は実話を基にしたフィクションです。

 

T税理士は、すぐさまB社長に電話を入れた。

B社長、今回の件は売上を隠していたB社長に責任があります。今、T会計事務所にできることは、役員賞与を認めさせないように税務署に交渉するくらいです。それは分かってください。T会計事務所の責任にするようでしたら、弊社との契約を解除されても構いません。」

B社長は、観念したかのように、

「売上を隠していたのは申し訳なかった。7年間で8000万円の売上を隠していたことも認める。後のことはT会計事務所にお任せします。」

と静かに話した。

T税理士は、B社長との会話の内容をメールに起こし、証拠として残した。

 

2026427日)

「ある会計事務所の税務調査事件簿(25)」 

 ※この物語は実話を基にしたフィクションです。

 

どうにもいかなくなったT税理士は、上司のN税理士に相談した。

N税理士は、はっきりと答えた。

「今回の場合には、T会計事務所に落ち度はない。売上を隠していた責任は、B社長にある。だから、毅然とした態度で臨まなければならない。T会計事務所にできることは、役員賞与を認めさせないで貸付金処理19として源泉所得税を払わないようにするくらいだ。」
N税理士の答えに、T税理士は元気が出た。

「確かにそうだ!今回はT会計事務所には落ち度はないのだから、できることをやるだけだ。」

 

19 「役員賞与」と税務署に認定されてしまうと源泉所得税が追加で発生してしまいます。そのため、会計事務所では税務署と交渉して、貸付金処理にしてもらうようにお願いすることがあります。貸付金処理になると、貸付金の利息は発生するが源泉所得税は発生しないため、大幅に追徴税額を減らすことができます。

 

2026420日)

「ある会計事務所の税務調査事件簿(24)」 

 ※この物語は実話を基にしたフィクションです。

 

5章 クレーム

 

T税理士は、T会計事務所に帰ると、経理担当のSさんに話かけた。

「いや~。大変なことになった。A株式会社のB社長は、売上を8000万円も隠ぺいしていたんだ。調査期間も7年まで伸ばされてしまった。」

Sさんは、驚いた様子で、

「そんなに隠していたんですね?!7年間遡られるとは、税務署も相当悪質だと見ていますね。」

と返答した。

「そうなんだよ。もはや、在庫や旅費の個人経費ということは論点にはならなくなった。こんなことが起こるとは思ってもみなかったよ。脱税として刑事事件になってもおかしくない金額だよ。」

T税理士は、ぼやいた。

その数日後だった。B社長から、T会計事務所に電話が入った。

「売上を隠していて悪かったことは私も認める。反省している。ただし、T会計事務所も追徴税額を減らしてもらわないと困る。」

明らかなクレームの電話だった。

そのような電話が何度もかかってきた。

SさんもT税理士もすっかり困り果ててしまった。

 

2026413日)

「ある会計事務所の税務調査事件簿(23)」 

 ※この物語は実話を基にしたフィクションです。

 

V統括官は、

「反面調査で売上除外の事実が判明しており、B社長もその事実を認めている。売上除外の金額が間違っているのでしたらそれは認める。追徴税額を2000万円以内に収めるということは基本的にできない。」

とはっきり答えた。

反面調査に入られた以上、もはや言い逃れはできる状態ではなかった。

T税理士とB社長は、X税務署を後にした。

B社長は、反省している様子でT税理士に話した。

「すみませんでした。売上を隠しているものは他にもあるかもしれません・・・。」

T税理士は、

「終わったことは仕方ないです。これからできるだけ追徴税額を少なくするように交渉していきます。」

と言うことしかできなかった。

 

202646日)

「ある会計事務所の税務調査事件簿(22)」 

 ※この物語は実話を基にしたフィクションです。

 

Z調査官は、1枚の書類を指さしながら、

「現在のところ、売上除外と見られる金額が8000万円あります。追徴税額は重加算税17を含めて3500万円になります。B社長、売上を隠していたことは身に覚えがありますか。」

B社長は震えている。

「すみません。業務が忙しかったもので、整理しきれなかった伝票や捨ててしまった伝票もあるかもしれません・・・。」

T税理士は、B社長に尋ねた。

B社長、今のところ国税だけでも3500万円の追徴課税になっています。これに、役員賞与18と認められた場合には、地方税も含めて7000万円くらいの追徴税額になる可能性があります。いくらくらいまででしたら、追徴税額を支払えますか。」

B社長は、うろたえながら答えた。

2000万円くらいまででしたら、追徴税額を支払えると思います。」

T税理士は、V統括官に訴えた。

B社長は2000万円までなら追徴税額を支払えると話しています。なんとか2000万円までに収まる形にはできないでしょうか。」

 

17 「追徴税額」とは、税務調査等で発覚した本来の税金との差額分で支払う税金のことをいいます。「重加算税」は、「追徴税額」の一つで、仮装・隠ぺいなど悪質な不正行為があった場合に課せられる最も重いペナルティーです。

18 「役員賞与」とは、税務調査で使われる場合には、源泉所得税が追徴税額として追加されることを意味します。税務調査で「売上除外」などが発覚すると、個人に流れたお金が役員賞与として認定されることあります。

 

2026330日)

「ある会計事務所の税務調査事件簿(21)」 

 ※この物語は実話を基にしたフィクションです。

 

「ここで宣言させてください。調査期間は7年間15に延長させてください。反面調査16を行った結果、この資料の通り8000万円の売上を除外している可能性があることが判明しました。」

7年間、売上除外8000万円?!」

まさに青天の霹靂だった。売上除外とは言っても、多くても数十万円と予測していたが、はるかに上だった。

Z調査官は、続けてこう話した。

「仕入の伝票に記載されていましたR商品について、売上の伝票に記載がなかったことを不審に思い、得意先に反面調査を行いました。その結果、得意先の仕入伝票にはA株式会社に対するR商品のものが多数発見されました。」

「やはり、Z調査官は切れ者だったのだ。いや、もしかしたら税務調査に入る前からこの事実には気が付いていたかも・・・」とT税理士は詮索する。

 

15 意図的で悪質な脱税がある場合には、税務調査の調査対象が最長で7年間遡られます。

16 「反面調査」とは、税務調査で疑いをかけられた場合に、得意先や仕入れ先などの関係者に税務署の権限で税務調査に入ることをいいます。例えば、得意先に税務調査が入って仕入れの資料が確認できた場合には、当該会社ではそれに対応する売上が計上されていないとおかしいということになります。

 

2026323日)

「ある会計事務所の税務調査事件簿(20)」 

 ※この物語は実話を基にしたフィクションです。

 

X税務署では、Z調査官が出迎えてくれた。もう一人、優しそうな初老の男性も一緒だ。初老の男性と名刺の交換をすると、「X税務署法人課税3部門V統括官」と記されている。

T税理士は、

「統括官14が出てくるとは、やはりまずいことを言われそうだ・・・」

と内心穏やかではなくなった。

T税理士とB社長は、X税務署の一室に通される。V統括官とZ調査官も一緒だ。

V統括官とZ調査官は、お茶をふるまってくれて、笑顔で応対している。

世間話をして打ち解けたような雰囲気になった。

T税理士は、もどかしくなり、口火をきった。

「税務調査の対象期間は伸びるのでしょうか。」

調査期間が5年に伸ばされるのは覚悟のうえだった。

すると、Z統括官は真顔になり、1枚の書類を見せながら話した。

 

14 「統括官」とは、税務調査を担当する部門のトップの称号をいいます。「統括官」は、通常の税務調査では表に出てこないことが多いです。

 

2026316日)

「ある会計事務所の税務調査事件簿(19)」 

 ※この物語は実話を基にしたフィクションです。

 

○○月×日に、X税務署の近くのカフェで、T税理士とB社長は待ち合わせをした。B社長の顔色がよくない。どことなく、おどおどした様子だ。

B社長の方から話し出した。

T税理士、今まで黙っていたことがあります。実は、売上の伝票の一部を廃棄していたのです。」

T税理士は、心の中で怒った。

「それは売上除外で立派な脱税13ではないか。何で今まで黙っていたんだ・・・。今日、X税務署に呼びだされたのはそれが原因か。果たして、総額はいくらになるのだろうか。」

T税理士は、B社長に声をかけた。

「売上の伝票を破棄していたのは、毎年いくらくらいになりますか。」

B社長は、

「いくらかは分かりません。何年も前からになります。」

T税理士は、怒りを抑えながら話した。

「やってしまったことは仕方ありません。X税務署の出方をみて対処しましょう。」

T税理士とB社長は、カフェを出てX税務署に向かった。

 

13 「脱税」とは、不正な手段によって課税を免れることをいいます。意図的に売上を隠ぺいする「売上除外」も「脱税」の1種です。悪質な場合には、刑事罰の対象となるケースもあります。

 

202639日)

「ある会計事務所の税務調査事件簿(18)」 

 ※この物語は実話を基にしたフィクションです。

 

T会計事務所の固定電話に電話がかかってきた。
電話受付のKさんが電話に応対した。

X税務署法人課税3部門Zと申します。T税理士はいらっしゃいますか。」

T税理士は、Kさんからおそるおそる電話を替わった。

「はい。税理士のTです。」

Z調査官は、落ち着いた声で、

X税務署法人課税3部門Zです。A株式会社の件でB社長と一緒に、X税務署に来ていただきたいのですが。」

と話すと、T税理士の頭に不安がよぎった。

「税務署に呼び出しとはいったい何だ・・・。B社長は何かやらかしていたのか・・・。」

と思いつつも、不安を悟られないように、

「承知しました。〇〇月×日にお伺いいたします。」

としっかりした声で応対した。

 

202632日)

「ある会計事務所の税務調査事件簿(17)」 

 ※この物語は実話を基にしたフィクションです。

 

4章 青天の霹靂

 

税務調査の立ち合いの後、2か月が経過しようとしていた。

最近は35℃を超える猛暑の日も続いている。

X税務署からは何も音沙汰がない。

SさんはT税理士に話しかけた。

「税務署はずいぶん静かですね・・・。何か探っているのでしょうか。そういえば、B社長から得意先にも税務調査が入ったと連絡がありました。」

「得意先に税務調査ですか・・・。たまたまかもしれないですが、少し心配ですね。Z調査官は、売上と仕入に問題がないと話していたので、たぶん大丈夫だとは思いますが・・・。」

と会話を交わした2週間後のことだった。

 

2026224日)

「ある会計事務所の税務調査事件簿(16)」 

 ※この物語は実話を基にしたフィクションです。

 

Z調査官が疲れた様子で質問してきた。

「領収書で15万円の宿泊費が計上されていますが、個人的な旅行ではないでしょうか。」

すぐにB社長に確認する。

B社長によると、得意先の開拓のための出張とのことだ。

Z調査官は、

「個人的な旅行の可能性もありますので、保留とさせてください。」

と返答した。

Z調査官は続けて、

「現在のところ3期分の期中の売上・仕入は問題ないようです。在庫の30万円と旅費の15万円は検討事項とさせてください。」

と話して、2日目の調査も終わった。

 

Z調査官が帰った後、T税理士はSさんとB社長に話しかけた。

「売上と仕入が指摘されなかったので、今回の税務調査は上出来だと思います。在庫と旅費については、反論することもできますので。」

T税理士、Sさん、B社長は、どことなく安堵した様子だった。

「今回の税務調査はまずまずか・・・。」とT税理士とSさんも帰宅の途に着くのだった・・・。

 

2026216日)

「ある会計事務所の税務調査事件簿(15)」 

 ※この物語は実話を基にしたフィクションです。

 

税務調査も2日目に入った。

午前中は、やはり売上と仕入を中心にZ調査官は調べているようだ。

Z調査官は、なにやらメモも取り始めた。

何点かZ調査官から質問を受けたが、問題になるようなことはなかった。

在庫の計上で30万円ほどの期ズレを指摘されたが、繰越欠損金11もあるので、たいした問題ではない。

午後は、交際費や消耗品など細かな経費を調べられた。

A株式会社は、経理状況はきちんとしているので、個人的な経費12などはほとんど計上されていない。

 

11 「繰越欠損金」とは、税務上の赤字を翌期以降の黒字と相殺できる制度をいいます。一定の青色申告を行う会社で認められ、赤字を10年間繰越すことができます。税務申告上、納税者に有利な制度です。

12 「個人的な経費」とは、「家事費」ともいわれ、事業には関係のない日常生活で発生する費用のことをいいます。もちろん「個人的な経費」は、会社の「事業の経費」ではないため、税務調査でのチェック対象となります。

ただし、「個人的な経費」と「事業の経費」の区別には、グレーな部分もあるため判断が難しいケースも多いです。

 

2026210日)

「ある会計事務所の税務調査事件簿(14)」 

 ※この物語は実話を基にしたフィクションです。

 

T税理士とSさんですぐに確認した。確かに、仕入伝票にR商品が記載されているが、売上伝票にはR商品の記載がない。

T税理士は頭をフル回転させて、その理由を考える。

「仕入伝票にR商品が記載されているなら、売上伝票にもR商品が記載されているはずだ。在庫というわけでもなさそうだし。売上の伝票は弊社に全て提出しているとB社長に確認は取れているし・・・。」

手をこまねいていると、Sさんが会議室の外に出た。B社長に電話で確認しているようだ。

5分ほど経って、Sさんが会議室に戻ってきた。

R商品は、他の商品と合わせて売り上げているので、売上伝票には記載されないそうです。」

会議室の緊張した空気が和らいだ。

Z調査官は、

「そういう理由ですか。この件はとりあえず保留にさせてください。」

T税理士もホッとした。

税務調査1日目は、その他には取り立てて論点は上がらなかった。

 

202622日)

「ある会計事務所の税務調査事件簿(13)」 

 ※この物語は実話を基にしたフィクションです。

 

社長からの聞き取りが終わると、Z調査官は帳簿書類のチェックを開始した。

「どうやら、売上と仕入と期ズレの確認をしているらしい。税務調査の初日はだいたいそんなものだ・・・。」と、B社長が退席したので、T税理士は気持ちにゆとりができてきた。

昼食休憩をはさんで、午後の調査が始まった。

「これから4時まで、何も見つからなければよいが・・・」とT税理士が思っていると、Z調査官が突然電卓をたたき始めた。すごい勢いだ。目つきも鋭い。

電卓をたたき終えると、Z調査官が話し始めた。

「仕入伝票のR商品について確認しましたが、売上伝票にはR商品の記載が見当たりません10。どういうことでしょうか。」

 

10 税務調査では、「売上に関する書類」と「仕入・外注に関する書類」を照合して、「期ズレ」などをチェックすることは常套手段として行われます。

 

2026126日)

「ある会計事務所の税務調査事件簿(12)」 

 ※この物語は実話を基にしたフィクションです。

 

1時間が長く感じられる。

「今のところ、際どいところは在庫の管理だけか」

「こちらには不利な点はないはずだ・・・」とT税理士は自分に言い聞かせる。

そして、税務調査が始まって1時間が経過した。

T税理士は、Z調査官に向かって話しかけた。

「そろそろ1時間が経過します。B社長もお仕事で忙しいと話しておられるので、B社長には退席いただいてよろしいでしょうか。携帯電話でいつでも連絡を取れるようにしておきますので。」

Z調査官は、「分かりました。そのようにしていただいて大丈夫です。」と認めてくれた。

B社長は退席した。

「なんとか聞き取りではボロはでなかったようだ。」とT税理士は一安心し、Sさんに目配りをした。

 

2026119日)

「ある会計事務所の税務調査事件簿(11)」 

 ※この物語は実話を基にしたフィクションです。

 

Z調査官と初めて顔を合わせる。穏やかそうな若い女性だ。「これは大丈夫そうか」と一瞬頬がゆるむ。

名刺の交換を行い、身分証の確認も行う。

「では、よろしくお願いいたします。」とお互いに席に着く。

B社長は緊張している様子だ。

Z調査官から、「本日はお忙しいところ、ありがとうございます。」

「さっそくですが、B社長の生い立ちから聞かせてください。」

「どのような経緯で会社を始められましたか。会社の業種はなんでしょうか。どのような商品を取り扱っていますか。取引先と契約を結ぶときにはどのように連絡を取りますか。仕入れ先は何社ですか。得意先は何社ですか。在庫はどこで保管していますか・・・。」

次々に、質問を投げかけられる。

B社長は、無難に回答しているようだ。

「この調子!」とT税理士は、祈るようにじっと構える。

Sさんは、必死にメモ帳に記録している。

 

2026113日)

新年あけましておめでとうございます!

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

税理士法人ティーダ総合会計(旧称松岡会計事務所)で勤務するようになってから、今年で13年目になります。

今年もあまり無理をしないで、体調第一で過ごせたらと思います。

 

添付のイラストは昨年末と同様に、弊社の関与先である武田様が描いてくださいました。

武田様の許可を得て掲載させていただいております。

素敵なイラストを本当にありがとうございます!

 

2026年も皆様方にとって良い年になりますように。

 

税理士法人ティーダ総合会計

税理士 吉田契

 

202611日)

2025年も皆様方にはたいへんお世話になりました!

 

弊社の関与先の武田様が、添付のイラストを描いてくださいました。

今から10年前、20156月の弊社久喜事務所の風景を基にした作品です。

とても懐かしく、ほんわりとしたイラストにとても感激して、ブログに掲載させていただきました。

武田様の許可を得て、ブログに掲載させていただいております。

ちなみに私(吉田契)も、イラストの左はじに描かれています。

武田様、素敵なイラストを本当にありがとうございました!!

 

2025年も残りわずかとなりました。

今年も何とか年を越せそうです。

今年1年も皆様方にはたいへんお世話になりました。

2026年も良いお年をお迎えください。

 

税理士法人ティーダ総合会計

税理士 吉田契

 

(2025年1230日)

「ある会計事務所の税務調査事件簿(10)」 

 ※この物語は実話を基にしたフィクションです。

 

B社長は、税務調査が始まってから約1時間、Z調査官から聞き取りを受けます。聞き取りでは、社長の生い立ち、取引の内容などを詳しく聞かれるかと思います。基本的には、正直に話していただいて構いません。支障がある場合には、私がフォローしますので安心してください。約1時間後には社長も忙しいでしょうから、お仕事に行かれて構いません。連絡を入れることもありますので、携帯電話にはつながるようにしておいてください。」

「調査官は女性一人で来るそうです。しかし、油断しないでください。法人課税3部門の調査官が一人で乗り込む場合には、相当優秀な方がくる場合があります。」

とそうこう話をしていると、「ピンポーン」とチャイムが鳴った。

「おはようございます。X税務署のZです。」とドアフォン越しに挨拶を受ける。いよいよ、開始のゴングだ!

 

20251222日)

「ある会計事務所の税務調査事件簿(9)」 

 ※この物語は実話を基にしたフィクションです。

 

「ピンポーン」とチャイムを鳴らすと、B社長が笑顔で出迎えてくれた。どことなく笑顔がぎこちない。

「お世話になります。どうぞよろしくお願いいたします。」と挨拶を交わし、会議室へ入る。6人掛けのテーブル席に座ると、B社長の許可を得てノートパソコンんをセッティングする。税務調査に立ち会ううえで、ノートパソコンは大きな武器になるのだ。総勘定元帳8や原始帳簿9など3年分も机に並べた。

B社長と天気の話などで打ち解けた後、T税理士が改まって切り出した。

 

8 「総勘定元帳」とは、会社の全ての取引(仕訳)について、「交際費」「消耗品費」といった勘定科目ごとに集計して管理する帳簿のことをいいます。税務調査においては、必須の帳簿になります。会計ソフトを使えば、会社の全ての取引(仕訳)は、自動的に総勘定元帳に集計してもらえます。

9 原始帳簿」とは、会社の取引を仕訳に起こすために必要な領収書や請求書、契約書などのことをいいます。スケジュール帳や出面表(どの仕事現場に誰が関わっているかを記録した表)なども「原始帳簿」として、税務調査では重視されます。「原始帳簿」も税務調査では必須の資料になります。

 

20251215日)

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