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今回は修士論文の第3章第3節第47回目を見ていきます。

不法行為の被害者を巡る課税上の問題点を論じてます。

 今回は、損害賠償請求権の収益計上時期に関して総括的検討しています。

 

一方、同時両建説においては、一般の私法上の債権・債務の取扱いに歩み寄っている考え方と言えるので、一般の債権・債務と取扱いを同等に近づける意味においても同時両建説を採用すべきであると言える1

 

1 異時両建説においては、損害賠償請求権を一般の金銭債権とは異なる取扱いをしているが、私法上も、会計上も、損害賠償請求権と一般の金銭債権とを別異に取扱うこととはされていないことから、税務上のみそのような取扱いをすることは困難であることも言える。

 

23か月くらい前から、お昼休みに職場の周りを20分くらいウォーキングをするようになりました。デスクワークは体にも良くないですし、睡眠の質も下げているように感じたからです。「運動は百薬の長」と言っている医科大学の先生もいます。少しでも歩くようにしたら、体にも精神的にも良いような気がします。

ところが、5月からとても暑くなってきて、外をあるくのがしんどくなってきました。そこで、久喜事務所から車で5分くらいの場所にあるアリオで歩くことを思いつきいました。もう5回ほどになりますが、アリオの中は涼しくてウォーキングには最適です。「アリオリング」と勝手に名付けて、お昼休みのウォーキングを楽しんでいます。ウィンドウショッピングもついでに楽しむことができます。一つ難点は、アリオまでの車中がものすごく暑いことです。エアコンが効く前にアリオに着いてしまうので、窓を全開にして運転しています。

「アリオリング」は健康にも良さそうなので、しばらくは続けたいです。

 

2026615日)

しばらく「修士論文の紹介」をお休みしていましたが、今回からまた再開します。

またお付き合いください。

 

今回は修士論文の第3章第3節第46回目を見ていきます。

不法行為の被害者を巡る課税上の問題点を論じてます。

 今回は、損害賠償請求権の収益計上時期に関して総括的検討しています。

 

しかし、異時両建説においては、これらとは逆転的な発想に基づいており、債務は債務発生主義によるものであり、債権は「権利の確定」を非常に狭く解釈して、場合によっては支払時の債権計上も認めている。

 

今年の5月に2回ほど、うちの息子(小学2年生になりました!)と一緒に、埼玉県行田市内の某所へ釣りに行きました。昼間はさすがに暑いので、夕方の16時頃から釣りを開始しました。釣れるか心配でしたが、ミミズを餌にしたら魚の反応がよく、クチボソやブルーギルなど合計で10匹くらい釣れました。息子も20㎝くらいの大きなブルーギルを釣りあげることができ、とても喜んでいる様子でした。

息子は普段は、ゲームセンターなどで「釣りスピリッツ」のゲームをするのが大好きですが、たまには本物の魚を釣る感触も味合わせてあげたいです。6月以降は暑さも厳しくなるでしょうし、魚の食いつきも悪くなると思うので、5月に2回も釣りができて本当に良かったです。

 

202668日)

今までも本ブログには所々記してきましたが、仕事の繁忙期と閑散期の目安となる四季折々の花があります。会計事務所の仕事は、わりと繁忙期と閑散期がはっきりしているかと思います。そして、そのシグナルとなる四季の花々を個人的には感じています。

 

まず、1月から2月にかけては、年末調整と個人の確定申告で忙しいですが、この時期にはロウバイが咲いて梅もチラホラと咲き始めます。久喜事務所の側の団地には、早咲きの梅が2本植えてあるのですが、これが咲き始めると「今が繁忙期のピークだ。がんばろう!」と思います。そして、3月になる頃には、久喜市内の青毛堀川沿いに河津桜が咲き始めます。そうなると、「繁忙期ももうじき終わる」と少し元気になります。3月下旬にはソメイヨシノも咲き始めます。ソメイヨシノが咲くと「今年も繁忙期を乗り越えた!」と嬉しくなります。

 

4月から6月にかけて、まあまあの繁忙期になります(税務調査が入ると忙しくなりますが・・・)。ソメイヨシノの後のハナミズキや藤の花など、気分良く見られることが多いと思います。そして、6月下旬から7月にかけて、源泉所得税納期特例が終わるころにノウゼンカズラが道端で見かけられるようになります。ノウゼンカズラを見ると、「繁忙期もやっと終わった。これから閑散期だ!」と嬉しくなります(所長に言ったら怒られそうですが・・・)。7月から8月は、例年閑散期になることが多いです。その時に咲いているのが、サルスベリです。この花をみると、「閑散期の夏を満喫しよう!」と気分は爽快です(本当は猛暑でないとよいのですが・・・)。

 

そして、9月下旬になると、キンモクセイの香りがするようになります。キンモクセイの香りは、とても良い香りなのですが、これは繁忙期のサインです。これからの繁忙期を見据えて、気分が憂鬱になります。10月頃にコスモスが咲いていると、気分は繁忙期モードです。11月と12月に、サザンカの花が咲いているころには、繁忙期真っただ中になります。

 

このようなサイクルで例年過ごしているような感じがします。会計事務所で仕事をするようになって13年が経ちましたが、やはり繁忙期はきついです。ですので、個人の確定申告の終わりを告げるソメイヨシノと閑散期のサインであるノウゼンカズラとサルスベリの花々が、今の私が好きな花になります。

 

いつかは、四季折々の花々を穏やかな気持ちで眺められる日が来るといいなと思います。

 

202661日)

「ある会計事務所の税務調査事件簿(29)」 

 ※この物語は実話を基にしたフィクションです。

 

電話受付のKさんは、T税理士に話しかけた。

「今回の税務調査は大変なようでしたね。」

T税理士は、

「まったく気苦労の多い税務調査だった。N税理士と決算担当Sさんの助けがなかったら、今回の調査は終わらなかったかもしれない。」

そこに居合わせたSさんも、

「本当にたいへんな税務調査でしたね。私も、今回は良い勉強になりました。」

と話した。

T税理士は、

SさんもKさんも本当にお疲れさまでした。来週には、T会計事務所の暑気払いもあるので、おいしいものをたくさん食べてください。」

と労をねぎらった。

 

厳しい残暑も終わりを告げようとしていた。

T会計事務所にも、秋の風がすーっと通り抜けるのが感じられた。

 

(終)

 

※この小説の作成にあたり、AIは一切使用しておりません。

 

2026525日)

「ある会計事務所の税務調査事件簿(28)」 

 ※この物語は実話を基にしたフィクションです。

 

第6章 エピローグ

 

後日、X税務署のZ調査官から電話がかかってきた。

A株式会社の売上除外は8000万円のみということで署内の決済が降りました。役員賞与については税務署としても認定するのが困難なため、貸付金での処理を認めます。」

T税理士は、ホッと一安心した。

「売上除外の8000万円は、反面調査も入っているのでやむを得ない。せめて、役員賞与を貸付金処理が認めらたことで2500万円の源泉所得税は追徴課税を免れることができた・・・。」

「これでB社長にも良い報告ができるなぁ・・・。」

と肩の荷が降りるのを感じた。

 

2026518日)

「ある会計事務所の税務調査事件簿(27)」 

 ※この物語は実話を基にしたフィクションです。

 

T税理士は、このことを上司のN税理士に話すと、

「それでいい。」

と一言答えた。

その言葉を聞いて、T税理士も安堵した。

そして、X税務署のZ調査官に電話を入れた。

A株式会社のB社長は、8000万円の売上を隠していたことを認めました。国税の追徴課税は重加算税を含めて3500万円を支払うことも受け入れます。

その替わりに、役員賞与は貸付金処理にしてもらうことはできないでしょうか。役員賞与の源泉所得税を支払うことになったら、B社長は自己破産するかもしれません。そうなったら、法人税・消費税の追徴税額も支払えなくなる可能性があります。」

Z調査官は、

「分かりました。A株式会社の8000万円の売上除外は認めるのですね。役員賞与の処理については、署内でも検討してみます。」

と答えた。

 

2026511日)

「ある会計事務所の税務調査事件簿(26)」 

 ※この物語は実話を基にしたフィクションです。

 

T税理士は、すぐさまB社長に電話を入れた。

B社長、今回の件は売上を隠していたB社長に責任があります。今、T会計事務所にできることは、役員賞与を認めさせないように税務署に交渉するくらいです。それは分かってください。T会計事務所の責任にするようでしたら、弊社との契約を解除されても構いません。」

B社長は、観念したかのように、

「売上を隠していたのは申し訳なかった。7年間で8000万円の売上を隠していたことも認める。後のことはT会計事務所にお任せします。」

と静かに話した。

T税理士は、B社長との会話の内容をメールに起こし、証拠として残した。

 

2026427日)

「ある会計事務所の税務調査事件簿(25)」 

 ※この物語は実話を基にしたフィクションです。

 

どうにもいかなくなったT税理士は、上司のN税理士に相談した。

N税理士は、はっきりと答えた。

「今回の場合には、T会計事務所に落ち度はない。売上を隠していた責任は、B社長にある。だから、毅然とした態度で臨まなければならない。T会計事務所にできることは、役員賞与を認めさせないで貸付金処理19として源泉所得税を払わないようにするくらいだ。」
N税理士の答えに、T税理士は元気が出た。

「確かにそうだ!今回はT会計事務所には落ち度はないのだから、できることをやるだけだ。」

 

19 「役員賞与」と税務署に認定されてしまうと源泉所得税が追加で発生してしまいます。そのため、会計事務所では税務署と交渉して、貸付金処理にしてもらうようにお願いすることがあります。貸付金処理になると、貸付金の利息は発生するが源泉所得税は発生しないため、大幅に追徴税額を減らすことができます。

 

2026420日)

「ある会計事務所の税務調査事件簿(24)」 

 ※この物語は実話を基にしたフィクションです。

 

5章 クレーム

 

T税理士は、T会計事務所に帰ると、経理担当のSさんに話かけた。

「いや~。大変なことになった。A株式会社のB社長は、売上を8000万円も隠ぺいしていたんだ。調査期間も7年まで伸ばされてしまった。」

Sさんは、驚いた様子で、

「そんなに隠していたんですね?!7年間遡られるとは、税務署も相当悪質だと見ていますね。」

と返答した。

「そうなんだよ。もはや、在庫や旅費の個人経費ということは論点にはならなくなった。こんなことが起こるとは思ってもみなかったよ。脱税として刑事事件になってもおかしくない金額だよ。」

T税理士は、ぼやいた。

その数日後だった。B社長から、T会計事務所に電話が入った。

「売上を隠していて悪かったことは私も認める。反省している。ただし、T会計事務所も追徴税額を減らしてもらわないと困る。」

明らかなクレームの電話だった。

そのような電話が何度もかかってきた。

SさんもT税理士もすっかり困り果ててしまった。

 

2026413日)

「ある会計事務所の税務調査事件簿(23)」 

 ※この物語は実話を基にしたフィクションです。

 

V統括官は、

「反面調査で売上除外の事実が判明しており、B社長もその事実を認めている。売上除外の金額が間違っているのでしたらそれは認める。追徴税額を2000万円以内に収めるということは基本的にできない。」

とはっきり答えた。

反面調査に入られた以上、もはや言い逃れはできる状態ではなかった。

T税理士とB社長は、X税務署を後にした。

B社長は、反省している様子でT税理士に話した。

「すみませんでした。売上を隠しているものは他にもあるかもしれません・・・。」

T税理士は、

「終わったことは仕方ないです。これからできるだけ追徴税額を少なくするように交渉していきます。」

と言うことしかできなかった。

 

202646日)

「ある会計事務所の税務調査事件簿(22)」 

 ※この物語は実話を基にしたフィクションです。

 

Z調査官は、1枚の書類を指さしながら、

「現在のところ、売上除外と見られる金額が8000万円あります。追徴税額は重加算税17を含めて3500万円になります。B社長、売上を隠していたことは身に覚えがありますか。」

B社長は震えている。

「すみません。業務が忙しかったもので、整理しきれなかった伝票や捨ててしまった伝票もあるかもしれません・・・。」

T税理士は、B社長に尋ねた。

B社長、今のところ国税だけでも3500万円の追徴課税になっています。これに、役員賞与18と認められた場合には、地方税も含めて7000万円くらいの追徴税額になる可能性があります。いくらくらいまででしたら、追徴税額を支払えますか。」

B社長は、うろたえながら答えた。

2000万円くらいまででしたら、追徴税額を支払えると思います。」

T税理士は、V統括官に訴えた。

B社長は2000万円までなら追徴税額を支払えると話しています。なんとか2000万円までに収まる形にはできないでしょうか。」

 

17 「追徴税額」とは、税務調査等で発覚した本来の税金との差額分で支払う税金のことをいいます。「重加算税」は、「追徴税額」の一つで、仮装・隠ぺいなど悪質な不正行為があった場合に課せられる最も重いペナルティーです。

18 「役員賞与」とは、税務調査で使われる場合には、源泉所得税が追徴税額として追加されることを意味します。税務調査で「売上除外」などが発覚すると、個人に流れたお金が役員賞与として認定されることあります。

 

2026330日)

「ある会計事務所の税務調査事件簿(21)」 

 ※この物語は実話を基にしたフィクションです。

 

「ここで宣言させてください。調査期間は7年間15に延長させてください。反面調査16を行った結果、この資料の通り8000万円の売上を除外している可能性があることが判明しました。」

7年間、売上除外8000万円?!」

まさに青天の霹靂だった。売上除外とは言っても、多くても数十万円と予測していたが、はるかに上だった。

Z調査官は、続けてこう話した。

「仕入の伝票に記載されていましたR商品について、売上の伝票に記載がなかったことを不審に思い、得意先に反面調査を行いました。その結果、得意先の仕入伝票にはA株式会社に対するR商品のものが多数発見されました。」

「やはり、Z調査官は切れ者だったのだ。いや、もしかしたら税務調査に入る前からこの事実には気が付いていたかも・・・」とT税理士は詮索する。

 

15 意図的で悪質な脱税がある場合には、税務調査の調査対象が最長で7年間遡られます。

16 「反面調査」とは、税務調査で疑いをかけられた場合に、得意先や仕入れ先などの関係者に税務署の権限で税務調査に入ることをいいます。例えば、得意先に税務調査が入って仕入れの資料が確認できた場合には、当該会社ではそれに対応する売上が計上されていないとおかしいということになります。

 

2026323日)

「ある会計事務所の税務調査事件簿(20)」 

 ※この物語は実話を基にしたフィクションです。

 

X税務署では、Z調査官が出迎えてくれた。もう一人、優しそうな初老の男性も一緒だ。初老の男性と名刺の交換をすると、「X税務署法人課税3部門V統括官」と記されている。

T税理士は、

「統括官14が出てくるとは、やはりまずいことを言われそうだ・・・」

と内心穏やかではなくなった。

T税理士とB社長は、X税務署の一室に通される。V統括官とZ調査官も一緒だ。

V統括官とZ調査官は、お茶をふるまってくれて、笑顔で応対している。

世間話をして打ち解けたような雰囲気になった。

T税理士は、もどかしくなり、口火をきった。

「税務調査の対象期間は伸びるのでしょうか。」

調査期間が5年に伸ばされるのは覚悟のうえだった。

すると、Z統括官は真顔になり、1枚の書類を見せながら話した。

 

14 「統括官」とは、税務調査を担当する部門のトップの称号をいいます。「統括官」は、通常の税務調査では表に出てこないことが多いです。

 

2026316日)

「ある会計事務所の税務調査事件簿(19)」 

 ※この物語は実話を基にしたフィクションです。

 

○○月×日に、X税務署の近くのカフェで、T税理士とB社長は待ち合わせをした。B社長の顔色がよくない。どことなく、おどおどした様子だ。

B社長の方から話し出した。

T税理士、今まで黙っていたことがあります。実は、売上の伝票の一部を廃棄していたのです。」

T税理士は、心の中で怒った。

「それは売上除外で立派な脱税13ではないか。何で今まで黙っていたんだ・・・。今日、X税務署に呼びだされたのはそれが原因か。果たして、総額はいくらになるのだろうか。」

T税理士は、B社長に声をかけた。

「売上の伝票を破棄していたのは、毎年いくらくらいになりますか。」

B社長は、

「いくらかは分かりません。何年も前からになります。」

T税理士は、怒りを抑えながら話した。

「やってしまったことは仕方ありません。X税務署の出方をみて対処しましょう。」

T税理士とB社長は、カフェを出てX税務署に向かった。

 

13 「脱税」とは、不正な手段によって課税を免れることをいいます。意図的に売上を隠ぺいする「売上除外」も「脱税」の1種です。悪質な場合には、刑事罰の対象となるケースもあります。

 

202639日)

「ある会計事務所の税務調査事件簿(18)」 

 ※この物語は実話を基にしたフィクションです。

 

T会計事務所の固定電話に電話がかかってきた。
電話受付のKさんが電話に応対した。

X税務署法人課税3部門Zと申します。T税理士はいらっしゃいますか。」

T税理士は、Kさんからおそるおそる電話を替わった。

「はい。税理士のTです。」

Z調査官は、落ち着いた声で、

X税務署法人課税3部門Zです。A株式会社の件でB社長と一緒に、X税務署に来ていただきたいのですが。」

と話すと、T税理士の頭に不安がよぎった。

「税務署に呼び出しとはいったい何だ・・・。B社長は何かやらかしていたのか・・・。」

と思いつつも、不安を悟られないように、

「承知しました。〇〇月×日にお伺いいたします。」

としっかりした声で応対した。

 

202632日)

「ある会計事務所の税務調査事件簿(17)」 

 ※この物語は実話を基にしたフィクションです。

 

4章 青天の霹靂

 

税務調査の立ち合いの後、2か月が経過しようとしていた。

最近は35℃を超える猛暑の日も続いている。

X税務署からは何も音沙汰がない。

SさんはT税理士に話しかけた。

「税務署はずいぶん静かですね・・・。何か探っているのでしょうか。そういえば、B社長から得意先にも税務調査が入ったと連絡がありました。」

「得意先に税務調査ですか・・・。たまたまかもしれないですが、少し心配ですね。Z調査官は、売上と仕入に問題がないと話していたので、たぶん大丈夫だとは思いますが・・・。」

と会話を交わした2週間後のことだった。

 

2026224日)

「ある会計事務所の税務調査事件簿(16)」 

 ※この物語は実話を基にしたフィクションです。

 

Z調査官が疲れた様子で質問してきた。

「領収書で15万円の宿泊費が計上されていますが、個人的な旅行ではないでしょうか。」

すぐにB社長に確認する。

B社長によると、得意先の開拓のための出張とのことだ。

Z調査官は、

「個人的な旅行の可能性もありますので、保留とさせてください。」

と返答した。

Z調査官は続けて、

「現在のところ3期分の期中の売上・仕入は問題ないようです。在庫の30万円と旅費の15万円は検討事項とさせてください。」

と話して、2日目の調査も終わった。

 

Z調査官が帰った後、T税理士はSさんとB社長に話しかけた。

「売上と仕入が指摘されなかったので、今回の税務調査は上出来だと思います。在庫と旅費については、反論することもできますので。」

T税理士、Sさん、B社長は、どことなく安堵した様子だった。

「今回の税務調査はまずまずか・・・。」とT税理士とSさんも帰宅の途に着くのだった・・・。

 

2026216日)

「ある会計事務所の税務調査事件簿(15)」 

 ※この物語は実話を基にしたフィクションです。

 

税務調査も2日目に入った。

午前中は、やはり売上と仕入を中心にZ調査官は調べているようだ。

Z調査官は、なにやらメモも取り始めた。

何点かZ調査官から質問を受けたが、問題になるようなことはなかった。

在庫の計上で30万円ほどの期ズレを指摘されたが、繰越欠損金11もあるので、たいした問題ではない。

午後は、交際費や消耗品など細かな経費を調べられた。

A株式会社は、経理状況はきちんとしているので、個人的な経費12などはほとんど計上されていない。

 

11 「繰越欠損金」とは、税務上の赤字を翌期以降の黒字と相殺できる制度をいいます。一定の青色申告を行う会社で認められ、赤字を10年間繰越すことができます。税務申告上、納税者に有利な制度です。

12 「個人的な経費」とは、「家事費」ともいわれ、事業には関係のない日常生活で発生する費用のことをいいます。もちろん「個人的な経費」は、会社の「事業の経費」ではないため、税務調査でのチェック対象となります。

ただし、「個人的な経費」と「事業の経費」の区別には、グレーな部分もあるため判断が難しいケースも多いです。

 

2026210日)

「ある会計事務所の税務調査事件簿(14)」 

 ※この物語は実話を基にしたフィクションです。

 

T税理士とSさんですぐに確認した。確かに、仕入伝票にR商品が記載されているが、売上伝票にはR商品の記載がない。

T税理士は頭をフル回転させて、その理由を考える。

「仕入伝票にR商品が記載されているなら、売上伝票にもR商品が記載されているはずだ。在庫というわけでもなさそうだし。売上の伝票は弊社に全て提出しているとB社長に確認は取れているし・・・。」

手をこまねいていると、Sさんが会議室の外に出た。B社長に電話で確認しているようだ。

5分ほど経って、Sさんが会議室に戻ってきた。

R商品は、他の商品と合わせて売り上げているので、売上伝票には記載されないそうです。」

会議室の緊張した空気が和らいだ。

Z調査官は、

「そういう理由ですか。この件はとりあえず保留にさせてください。」

T税理士もホッとした。

税務調査1日目は、その他には取り立てて論点は上がらなかった。

 

202622日)

「ある会計事務所の税務調査事件簿(13)」 

 ※この物語は実話を基にしたフィクションです。

 

社長からの聞き取りが終わると、Z調査官は帳簿書類のチェックを開始した。

「どうやら、売上と仕入と期ズレの確認をしているらしい。税務調査の初日はだいたいそんなものだ・・・。」と、B社長が退席したので、T税理士は気持ちにゆとりができてきた。

昼食休憩をはさんで、午後の調査が始まった。

「これから4時まで、何も見つからなければよいが・・・」とT税理士が思っていると、Z調査官が突然電卓をたたき始めた。すごい勢いだ。目つきも鋭い。

電卓をたたき終えると、Z調査官が話し始めた。

「仕入伝票のR商品について確認しましたが、売上伝票にはR商品の記載が見当たりません10。どういうことでしょうか。」

 

10 税務調査では、「売上に関する書類」と「仕入・外注に関する書類」を照合して、「期ズレ」などをチェックすることは常套手段として行われます。

 

2026126日)

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